あきりんの映画生活

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「ワイルド・ギース」 (1978年)

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1978年 イギリス 132分
監督:アンドリュー・マクラグレン
出演:リチャード・バートン、 リチャード・ハリス、 ロジャー・ムーア、 ハーディ・クリューガー

傭兵部隊の活躍。 ★★★

政治的な背景は何もなし。
反戦といった主義主張もほとんど感じることはない娯楽アクション映画。
クーデターの起こったアフリカのある国を舞台に(1960年代のコンゴ動乱がモデルのようだ)、傭兵部隊が活躍する単純明快な男の映画。

軍部クーデターで拉致された大統領救出を、高額の報酬で元大佐のリチャード・バートンが引き受ける。
仲間は、作戦参謀に切れ者リチャード・ハリス、名パイロットのロジャー・ムーア、ボウガンの名手ハーディ・クリューガー。
それに選び抜かれた50名の戦争プロフェッショナルの一隊。

作戦を実行する前の訓練がすさまじい。
訓練係は実直な元軍曹。そうか、軍曹というのはこういう役回りをするのか。
作戦も単純明快。
輸送機から収容基地の近くへパラシュート降下をし、25人が大統領救出に向かう、その間に残りの25人が飛行場を制圧し、迎えの輸送機で帰還する。
作戦は完璧、訓練もばっちし、さあ、行くぜ!

4人の主役がそれぞれにいい味を出している。
特に好かったのは、一人息子とのクリスマスの約束を破って作戦に参加したリチャード・ハリス
作戦参加前のエピソードを見せられると、なんだか”不幸フラグ”を感じてしまうのは、私だけ?(苦笑)

救出される黒人大統領は、故マンデラ大統領をイメージしてしまった。人格者。
一方で、ハーディ・クリュガーは南アフリカ出身の人種差別主義者という設定。
お金のために黒人大統領救出に参加したのだが、やがて体力が消耗している彼を背負って脱出をするようになる。
このあたりも気持ちよく受け取れる展開だった。

上手くいくように見えた救出作戦だったが、金儲け主義の依頼者の裏切りで、傭兵部隊は見捨てられ、危機に陥る。
ここからが緊迫のアクションとなる。
一人、また一人と、仲間が倒れていく。
前半で登場人物の造形がしっかりとされているので、倒れていく仲間への感情移入が否応なくある。
それに、ノワールものなどの、いわゆる”男の映画”に特有の泣かせの展開もある。

2時間を超える映画ですが、作戦準備部分、救出作戦部分、危機からの脱出部分、と変化にも富んでいて、飽きさせません。