1982年 アメリカ 108分
監督:フレッド・ジンネマン
出演:ショーン・コネリー
山岳サスペンス。 ★★☆
フレッド・ジンネマン監督の最後の作品。
サスペンスと書いたが、山岳登山を舞台にした男女の危うい感情を描いている。
登場人物はほぼ3人だけという、舞台劇のような内容のもの。
アルプス登山にやってきた初老の夫、ダグラス(ショーン・コネリー)と若い妻ケイト。
あまりにも離れた年齢の夫婦に周囲の目も驚いている。
実は二人は叔父、姪の間柄での不倫カップルだったのだ。
二人は若い山岳ガイドのヨハンを雇って、連日、近くの登山を楽しむ。
初老だがダグラスはかなりの山登りのベテランなのだが、若いケイトは初心者だった。
それでも、あんな岩山上りをするのだなあ。
高所恐怖症の私には考えられないような怖さだぞ。
アルプスの山の風景は美しいのだが、物語はどちらかといえば地味な展開だった。
事件で見せるというよりも、男女の心理の揺れ動きを見せるのが主眼となっている。
やがて、山岳ガイドのヨハンは、二人が本当の夫婦ではないことを知る。
そして、若いケイトに、あんな老人に君の人生を捧げるなんてばかげている、と、忠告をする。
おいおい。
しかし、これらの心理の揺れも、期待したほどには盛り上がっていなかった。
嶮しい登頂にはケイトを山小屋に残してダグラスとヨハンの二人が向かう。
ヨハンは、ダグラスに離婚をする気がないのだったらケイトと別れるべきだと詰め寄る。
雪山は危険がいっぱいだぞ。ダグラスとヨハンの間にも危険な雰囲気が漂う。
そして・・・。
ジンネマン監督は、この映画の約10年前には、あの名作「ジャッカルの日」を撮っている。
それに比べると、なんともぬるい感じのサスペンス・メロドラマだった。
それに、こんなことを言っては怒られそうだが、ヒロインがなんとももっさりお姉さんで、ちっとも魅力的ではなかったなあ・・・(涙)。