あきりんの映画生活

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「アバウト・タイム/愛おしい時間について」 (2013年)

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2013年 イギリス 124分
監督:リチャード・カーティス
出演:ドーナル・グリーソン、 レイチェル・マクアダムス、 ビル・ナイ

タイム・トラベラーの恋と愛。 ★★★☆

タイム・タラベラーものだが、監督はあの「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティスなので、どこまでもほんわかとしている。
だから、ガチガチのタイム・パラドックス好きには物足りないかもしれない。
(でも、ほのぼの好い映画なのだよ)

おとなしく目だたない印象のティム(ドーナル・グリーソン)は、21歳の誕生日に父親(ビル・ナイ)から、驚くべき事を聞かされる。
なんと、我が家系の男子にはタイム・トラベルの能力があるのだよ。ええっ!
暗い所で両手を握りしめて念じれば、過去へ戻ることが出来るよ。でも、未来には行けないよ。

驚くティム。そりゃあ、誰だって驚くよ。
この映画の素敵なところは、ティムのその超能力の使い方。
世界の歴史を変えるとか、一大事故を未然に防ぐとか、そんな大それたことはまったくしない。
ただ、こっそりとあこがれの彼女メアリー(レイチェル・マクアダムス)と親しくなりたいぞ、そんな微笑ましい願いをかなえようとする。

この映画には悪人が登場しない。それに本質的に嫌なことも起こらない。
失敗でさえも、人生を幸せに捉えるためには必要だったのでは、と思わせてくれるほど。

タイム・トラベルの約束事は、実はこの映画ではいい加減。
過去に戻って何かをした場合に、現在がどんな風に影響を受けた未来になるのか、ちょっと理屈があわないところがたくさんある。
言ってみれば、”アバウト・タイム”ならぬ”アバウトなタイムトラベル”(笑)。
しかし、そんなことはどうでもいいぐらいのこの緩さ加減がなんとも心地よい。

彼女役のレイチェル・マクアダムスがびっくりするほど綺麗。
とても「ミッドナイト・イン・パリ」の無神経な恋人と同じ人とは思えないほど。
特に突然の雨で台無しになった結婚式で、それでも幸せそうに笑い転げるレイチェルの、なんと可愛く愛らしいことか(ポスターの写真です)。

それに、父親役のビル・ナイが好い感じ。
後半はティムとの父子関係が描かれるのだが、飄々とした(卓球が弱い)父親が好い。
父子で浜辺を散歩する場面は、もう会うこともできなくなる(なぜかは映画を観てください)という切なさに溢れていた。

地味で平凡な主人公が、超能力を地味に使って、自分の生き様や家族を幸せにしようとする映画です。
この映画、副題通りに”愛おしい時間について”描かれていました。
SF設定にはあまりこだわらずに観ることをお勧めします。好いですよ。