あきりんの映画生活

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「フューリー」 (2014年)

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2014年 イギリス 135分
監督:デビッド・エアー
出演:ブラッド・ピット、 シャイア・ラブーフ

第二次世界大戦の戦車戦。 ★★★

舞台は第二次大戦末期のヨーロッパ戦線。
一台のシャーマン戦車、フューリー号には5人が乗り組んでいる。指揮官は歴戦の勇者ウォーダディ軍曹(ブラッド・ピット)。
戦死者の補充に新兵のノーマンが配属されてくる。
タイピストだった彼は戦闘経験も未だない。
お前、大丈夫か。はい、大丈夫であります。

ドイツ軍のティーガー戦車との戦車戦もある。
このティガー戦車は、シャーマン戦車よりはかなり攻撃力も防御力も上のようだった。
限られた視界で相手を捉え、相手の弱点を砲撃できる位置に素早く移動して、そして撃つ。
潜水艦の戦いににも似た緊迫感があった。

ウォーダディの計らいでノーマンが情交を結んだ美しい女性がいた。
ノーマンは愛情も感じ始めていたのだが、一瞬の後には爆撃された建物の下敷きになり死んでしまう。
戦争はきれいごとではない。

職業軍人のように厳しいのだが、親分肌で部下の面倒もよくみる軍曹ウォーダディをブラッド・ピットが好演。
戦争という状況下では常軌を逸したような考え方もするのだが、なにか筋が一本通っていた。

新兵のノーマン役のローガン・ラーマンも好かった。
彼の、戦争という状況下においても示す一般人としての反応が、観ている者の気持ちを代弁してくれていた。
彼の存在があるために、戦時下のウォーダディの行動、思考が、より一層際立ってみえていた。

しかし、ノーマンも戦闘が続く内に変わっていく。
はじめはナチス隊員を撃ち殺すこともできなかったのだが、やがては、このナチ野郎め!と叫びながら機銃を乱射するようになる。

後半のクライマックスは、たった一台の戦車で数百名のドイツ軍と戦う戦闘場面。
しかも、戦車は地雷でキャタピラが壊れて動くこともできない。
どう考えても勝ち目はない。

ウォーダディは部下たちに、お前たちは逃げろ、という。俺は一人でこの十字路を死守する、それが与えられた任務だ。
ノーマンが私も残りますと言い、結局全員が動かない戦車に立てこもる。

激しい戦闘。
弾丸は尽きていく。次第に倒れていく仲間・・・。

表面上は一台の戦車の活躍を描く戦争アクションもの。
しかし、戦争という極限状態がもたらす惨状、その状態によって浮き彫りにされる人間性を、重く描いてもいた。

見応えのある映画でした。