2014年 フランス 107分
監督:フランソワ・オゾン
出演:ロマン・デュリス、 アナイス・ドゥムースティエ
奇妙な男女の関係。 ★★★
フランソワ・オゾン監督である。
彼のことだから、男とか女とかという捉え方が独特の映画。
まるで私たちの”男性”や”女性”といった既成概念に疑問を投げかけてくるような映画。
クレール(アナイス・ドゥムースティエ)は亡くなった親友ローラに、彼女の夫ダヴィッド(ロマン・デュリス)と生後間もない娘を守る、と誓った。
そこである日、彼女の家を訪ねると、ダヴィッドは女装をして娘をあやしていた。
実はダヴィッドには女装癖があり、生前の妻もそのことは知っていたのだという。
普通は、女装をしている男性を見ればその人はゲイだろうと思ってしまう。
その人は女性を愛することが出来ずに、男性を愛するのだろうと思ってしまう。
しかし、そう単純ではない場合もあるようなのだ。
ダヴィッドは、女装はするけれどゲイではないのだ、という。
好きなのは女性であって、美しい女性に憧れているだけだと言う。
単に女装は趣味? 心は男?
ちょっと戸惑ってしまうのだが、クレールはそんなダヴィッドを次第に受け入れる。
そして、女装したときの彼にヴィルジニアと名付けて、2人の秘密ごとは次第にエスカレートしていく。
クレールはダヴィッド(ヴィルジニア?)を男友達としてみている? それとも女友達としてみている?
クレールにはもちろん夫がいる。
女装したダヴィッドはクレールに何を求めている?
そしてクレールは女装したダヴィッドに何を求めている?
女装した男と、女、その2人の間には友情が成立する?
さて、女装するロマン・デュリスなのだが、はじめて女装姿を見たときは、ううむ、という感じ。
お世辞にも美しくない、色っぽさなんてみじんもない。
どちらかといえば筋肉質の体型で、身体の線はごつい。
その上に髭の剃り跡がこれでもかというほどに濃い。ううむ。
でも、見慣れるにしたがって、ああ、これもありかと思えてくる。
不思議(笑)
(どうでもいい横道:私はゲイとオカマとホモの違いがわからない。どう違う? 汗)
結局、ダヴィッドとクレールの関係はどうなったのだろう?
女友達のまま? 女装癖のある男と女の関係になった?
オゾン監督らしく、最後の場面も観ている人の想像に物語をゆだねているようでした。