あきりんの映画生活

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「マネー・ショート」 (2015年)

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2015年 アメリカ 130分
監督:アダム・マッケイ
出演; クリスチャン・ベール、 スティーブ・カレル、 ライアン・ゴズリング、 ブラッド・ピット

金融業界もの。 ★★

副題は「華麗なる大逆転」。
この映画の題材はあのリーマンショック。全世界に影響がでたサブプライム・ローンの破綻を逆手にとって、一大バクチに勝った連中のドラマ。

私は経済学にはまったく疎い。
我が家の貯蓄状況も妻任せだし、妻が運用している株がどうなっているかも知らない。
で、この映画は実際のところ、よく判らずじまいだった。

映画には当然のことながら専門用語が出てくる。
えっ、MBSって何のこと? 不動産担保証券の事らしいけれど、これは何?
えっ、CDOって何のこと? 債務担保証券の事らしいけれど、さっぱり判らんぞ。
ということで、彼らが何をしているのか、どういうからくりだったのかは十分には判らずじまい。

とにかく一番鋭かったのはクリスチャン・ベイル
低所得者にも十分な担保もなしにどんどん住宅ローンを組んでしまうのは、おかしいぞ、と考える。
リーマンショックについては今ではみんな知っているが、その当時は住宅が値下がりするなんて誰も考えていなかったのだ。
それにいち早く気づいたベイルは偉い。

大音響で音楽をガンガンとかけて部屋に閉じこもって経済の動きだけを相手に生活している人物像をベイルが好演。
トレーダーは、大なり小なり、こういう生活をしているのだろうか。

そのベイルが持ちかけた空売りの相談から銀行員のライアン・ゴズリングも、これは?と気づく。
そしてスティーブ・カレルを巻き込んでいく。
捨て置かれていた資料を偶然に見た2人の若者も、ブラッド・ピットを相談役にして、バクチに出る。

皮肉なのは、世界経済が破綻してくれないと、私財をなげうってバクチに出た彼らは儲からない、というところ。
カレルやピットはその事を感じ取っているので、バクチに勝つことを単純には喜べないでいる。
しかし、マネーゲームというのは、本質的にはそんなもので、誰かが損をするから誰かが儲けるのだろう。

登場人物たちの人間性はよく描かれていて、それぞれの個性も面白かった。
う~ん、経済の仕組みがもっと判れば、映画はもっと面白かったのだろうな。
残念でした。