あきりんの映画生活

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「オールドボーイ」 (2013年)

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2013年 アメリカ 103分 
監督:スパイク・リー
出演:ジョシュ・ブローリン、 エリザベス・オルセン、 サミュエル・L・ジャクソン

韓国映画のハリウッド・リメイク。 ★★★

話題になった韓国映画のリメイクである。
韓国映画のすさまじさをはっきりと認識したのは、この映画のオリジナル版が契機だった。
ここまでどろどろの情念をぶつけてくるのか、と感嘆した。
さて、その情念をハリウッドはどのように見せてくれる?

もちろんこの映画の原作は同名の日本のコミックで、それも読んでいる。
3つを比べると、物語のオチの鮮烈さはやはり韓国版が一番凄まじかった。
そしてそれに肉薄したのは、このハリウッド版。
これは韓国版に触発された部分が大きいと思う。
もっともまともだった、というか、人間味を残していたのは日本の原作コミックだった。
やはり日本人の倫理観はある節度を保っているのだということを、あらためて感じた。

どうしようもないやさぐれ男のジョー(ジョシュ・ブローリン)は、いきなり見知らぬ部屋に監禁されてしまう。
その部屋では、規則的に食事が与えられ、テレビでニュースを見ることが出来るだけ。
ジョーは、なんとその状態で20年間も監禁されてしまったのだ。

この設定がまずは度肝を抜く。
テレビのニュースで、ジョーは妻殺害の容疑者にされており、幼い娘は養子に出されたことを知る。
やがて20年の歳月が流れ、ジョーはいきなり野原の真ん中で解放される。
自分は、なぜ20年も監禁されたのか。そして、なぜ今頃になって解放されたのか。

解放されたジョーは、自分をこのような目にあわせた犯人を捜して復讐しようとする。
あまりの理不尽な仕打ちに混乱して怒りまくるジョー。そりゃ当然だな。
マリーという美しい協力者も得て、ジョーは監禁さて居た場所を突き止め、犯人に迫っていく。

ポスターでは金槌を振り上げているジョーが映っているが、このとおり、ジョーの武器は金槌。
裏商売の危ない連中を、ジョーは金槌を振り回してやっつけていくのだ。
この殴打系の格闘がなんともすさまじい。
刀やナイフといった相手を切る倒し方はそれなりに観ていられる。
しかし、ボカッ、グシャッ、といった倒し方は(痛さが連想できてしまって)生理的にきついものがある。私だけ?

繰り返しになるが、この映画の要は、なぜ20年間も監禁されたか、ではなく、なぜ20年後にわざわざ解放されたか、という点にある。
これについてはもう映画を観てもらう他はない。
そこにいたる犯人のおこなった伏線は、このハリウッド版で一番上手くできていた。

衝撃度としては、やはり先に韓国版を見てしまっていたので、その時ほどのものは当然ながらなかった。
もし韓国版を観ていなければ、結末の衝撃度は並大抵ではないでしょう。