あきりんの映画生活

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「マッチポイント」 (2005年)

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2005年 イギリス 124分
監督:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ、 スカーレット・ヨハンソン

泥沼不倫サスペンス。 ★★☆

元テニス・プレーヤーのクリスは、野心を抱いて富豪の息子トムと親しくなる。
そしてトムの妹クロエとは恋仲になり、会社を経営している兄妹の父親にも気に入られ、逆玉の輿状態となる。
ところが、トムの婚約者ノラ(スカーレット・ヨハンソン)にも惹かれてしまうのだった。

冒頭にネットに当たったテニスボールがどちらのコートに落ちるかは運だ、という映像が出ていた。
所詮、人生なんて運次第さ、といったウディ・アレン監督のシニカルな声が聞こえてきそう。

そしてこの映画は、ウディ監督には珍しい本格的サスペンスもの
この映画のとき、監督が見いだしたスカヨハはまだ21歳。
それなのに艶めかしいエロシティズムを画面に巻き散らしている。
特にクリスが初めて出会う場面のスカヨハの妖しさといったら・・・。もう絶品。

折角手に入れた裕福な成功者の地位を捨てたくはない。
しかしノラの妖しい魅力にも抗しきれない。
ノラは義兄の婚約者。ああ、どうしたらいいんだ。いずれは局が来ることは目に見えているぞ。

ま、このクリスが腹立たしいほどに自分勝手。
富豪の入り婿になって裕福な生活も続けたい、魅力的なノラとも関係を続けたい、そんなどっちも上手くやろうなんて身勝手すぎるだろ。
クリス目線で物語は進むので、結構はらはらする。
この綱渡り状態はいつ破綻するんだ?

(以下ネタバレ)

不倫を隠すために殺人に踏み切るクリス。
完全犯罪を目論んだのだが、上手くいくかな?
彼が読んでいたのがドフトエフスキーの「罪と罰」というところが、可笑しい。

クリスが川に捨てようとした証拠品の被害者の指輪は、川岸の手すりに当たって手前の鋪道に落ちる。
おやおや、証拠の品が隠せなかったぞ。
この映像は、冒頭にネットに当たったテニスボールの映像と上手くシンクロさせていた。

てっきりこの指輪が証拠となってクリスの犯罪がバレてしまうのだと思っていた。
でも、違っていた。
ウディ・アレンの機知はこういうところに出るなあ。