あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「10ミニッツ・オールダー イディアの森」 (2002年)

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2002年 イギリス 106分
8人の監督によるオムニバス。 ★★★

監督15人が“時間”をテーマに、10分という時間制限で撮った作品の2巻組のオムニバス集の1本。8人の作品が収められている。
残りの7人の監督の作品を集めた「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」については、先日感想を書いた。

1.「水の寓話」 監督・ベルナルド・ベルトルッチ 
水を汲んできてくれと見知らぬ男に頼まれた若者は、出かけた先で偶然に異国の女性と知り合い、結婚もして幸せに暮らす。
ある日、かっての場所を訪ねると、かっての男はそのままの姿で水を待っていた・・・。
二人の男の二つの時間が錯綜している。
一人にとっては水を汲んできてもらうだけのわずかな時間であり、若者にとっては人生の大半の時間が流れている。
ベルトリッチがこんな映画を撮るのだなあと、とても面白く観た。

2.「時代X4」 監督:マイク・フィギス 
終始画面は四分割されていて、それぞれに別の映像が映されていく。
写る人物は関わり合いがあるような、ないような。
実験的な作品で、どの画面を注視したらいいのか、4つの映像をどう結びつけて観たらいいのか、ちょっと困ってしまった。

3.「老優の一瞬」 監督:イジー・メンツェル 
ある男性の若い頃から晩年までの姿を、短いショットでつないでいる。
登場しているのはチェコの有名な俳優とのことで、彼の出演作品の場面をつないでいるらしい。
ある人のアルバムを眺めているような、そんな感じで、10分間にその人の一生が凝縮されていたわけだ。

4.「10分後」 監督:イシュトヴァン・サボー
夫の誕生日を祝おうと、楽しげに準備をしてその帰りを待つ妻。
ところが、ひどく酔って帰ってきた夫によってその楽しいはずのひとときが悲劇へと変わっていく。
10分前には想像もしなかったような陥穽が、だれの人生にも待っているのだよ、といったシニカルな視線がある。
映画ならではの、あれよあれよという展開だった。

5.「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」監督:クレール・ドゥニ
これはまったく楽しめなかった作品。
登場するのは有名な哲学者らしいのだが、列車に乗っている彼がひたすら社会に対する意見や、哲学的な考察を話し続ける10分間。
調べてみると、この哲学者は心臓移植を受けたり、癌にかかりその闘病をしたり、といった人生を歩んできたらしいのだが。

6.「啓示されし者」 監督:フォルカー・シュレンドルフ
これも時間に関する哲学的な独白を10分間おこなう。
そして映像は、キャンプ場の光景をゆれ動くようなカメラワークで捉えていて、その落差が面白い。
実は、独白をしているのは飛びまわっている蚊なのである(笑)。

7.「星に魅せられて」監督:マイケル・ラドフォード
宇宙飛行から80年ぶりに帰還した飛行士が、肉親を訪ねる物語。
(この飛行士役は、なんと、ボンド、ジェームズ・ダニエル・クレイグ・ボンド、なのだよ 嬉)
光速旅行のせいで、地球時間が80年経っても歳をとらなかった彼が再会したのは、死を目前にしてベッドに横たわる老人。
老人は、息絶え絶えに、お帰りなさい、お父さん、ずっと待っていたよ、といって亡くなっていく。
なにか、とても胸に迫るものが感じられる作品だった。

8.「時間の闇の中で」監督:ジャン=リュック・ゴダール
”・・・の最後の瞬間”というタイトルと一緒に、ある情景を次々に映すという構成。
使われているのは、これまでのゴダール自身の作品の一場面。
自分自身の作品のコラージュといった趣で、ジャン・ピエール・レオなども映ったりする。
エスプリの効いた作品となっていた。

7。と1。が面白く、次に4。と8。といったところ。
全体的には、もう1本の「人生のメビウス」の方が面白い作品が多かった。