監督:サイモン・ブラント
出演:ジェームズ・カビーゼル
俺は被害者?それとも犯人? ★★★
似たようなタイトルでリーアム・ニーソン主演のアクションものがあったが、こちらはあまり有名ではないサスペンスもの。
有名な方のリーアムも記憶喪失になっていたが、こちらも登場人物が記憶喪失になっている。
それも登場する5人全員が。
一人の男が廃工場の中で意識を取り戻す。
あれ?ここはどこだ? それに、自分は誰だ? 何も覚えていないぞ。
あたりを見ると、なんと他にも4人の男がおり、しかも一人は椅子に縛られており、一人は拳銃で撃たれて出血しながら手錠で柵に繋がれている。
これはどういうことだ?
この映画の面白さは、記憶喪失している5人の男たちが少しずつお互いの探り合いをするところ。
というのも、外からかかってきた電話や新聞記事から、5人のうちの2人は身代金目的で誘拐されてきた人物で、残りの3人が誘拐犯の一味だと判ってくるのだ。
俺は誘拐犯か?それとも被害者か?
どいつが俺の味方なんだ? どいつの言うことを信用すればいいんだ?
夕方には身代金を手にした誘拐犯一味が戻ってくる。
それまでに逃げ出した方がいいのか? しかし、工場は完全に出口が封鎖されていて、外へは出られない。
さあ、自分は何者だ? 自分が悪人なのか、それとも善人なのかも判らないぞ。
この全員記憶喪失という(都合のいい)状況は、逃げようとした被害者が犯人たちともみ合っているうちに工場内にあった有毒ガスが噴出して生じたことになっている。
ということは、5人が目を覚ました状況は、記憶喪失になる前の状況と同じはずだ。
縛られている奴は、縛られるだけの理由があったはずだ。すると、こいつは誘拐されてきた奴か? それとも?
銃で撃たれた奴は、どんな状況で撃たれて手錠をかけられた? 誘拐されてきた奴が反撃したのか?
映像はときおり外の状況も映してくれる。
警察の警備の隙間をぬって、まんまと身代金を手に入れた犯人一味は、工場へ向かってくる。
誘拐された会社社長の無事を祈って、魅力的な若い社長夫人も健気に頑張っている。
ということで、96分という短めの映画だが、なかなかに楽しめた。
ついに犯人一味が工場へ戻ってきて、しかも、後をつけていた警官隊も一緒に到着する。
犯人のボスが工場に残っていた一人の男に尋ねる、何があったんだ?
とすると、この男は誘拐犯の仲間だったのか・・・。
(以下、ネタバレ)
と思っていたら、最後になって、あれよあれよというどんでん返しがありました。
なにぃ、潜入捜査官だと。
と思っていたら、なにぃ、社長夫人はあいつと浮気をしていただと。じゃあ、この誘拐劇は・・・。