あきりんの映画生活

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「告白」 (2010年)

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2010年 日本 106分
監督:中島哲也
出演:松たか子、 岡田将生、 橋本愛

ベストセラー・イヤ・ミスの映画化。 ★★★

ご存じ湊かなえのイヤ・ミス「告白」を映画化したもの。
(イヤ・ミスというのは、この小説のように、読んだあとにイヤな気持ちになるミステリーのことです 笑)

中学校の終業日に、1年B組の担任・森口悠子(松たか子)は、ある告白を始める。
数ヵ月前に学校のプールで事故死したとされていた彼女の一人娘の愛美は、実はこのクラスの生徒に殺されたのだ、と言うのだ。
教師が話している間も騒ぎまくっていた生徒たちが、急に静まりかえる。

松たか子は無表情に淡々と話し続ける。
彼女は生徒Aと生徒Bを犯人だと言う。
主犯のAは愛美を殺そうとしたが実は殺し切れておらず、手伝いをさせられたBは殺すつもりはなかったのに結果的に殺してしまっていた。

AもBも許すことはできません。少年法がある司法には任せずに、私が二人に復讐をします。
そう言う森口は二人にある罠をしかけていた。

原作は登場人物のモノローグを積み重ねることによって、物語をいろいろな方向から眺めて、真相に迫っていくという巧みな手法だった。
映画では、ときおり登場人物の名前は表示されるのだが、それほど厳密にそれぞれの人物の視点に切り替えているわけではなかった。
映像で心の中の思いを表現することは、文字で語ることとはまったく違うのだから、それは仕方ないだろう。

Aは母に虐待されて見捨てられていた。それが事件の動機へつながっていく。
Bは母に溺愛され過保護にされていた。それが事件へ関わらせてしまう。
森口の二人への(陰湿な)復讐は、入念におこなわれていく。
そして、クライマックス。”どっか~ん!”

最後が、またイヤ~な気持ちにさせてくれる。
計画をすべてやり遂げた森口は、「これが私の復讐であり、ここからあなたの更生が始まるのです」と生徒Aに告げたあとに、「な~んてね。」と言うのだ。

この「な~んてね」がものすごく観ている者の気持ちを逆なでする。
この言葉で、彼女は何を否定し、何を茶化したのだ?
もう、イヤになる(苦笑)。

と言わせるぐらいに、この映画は成功していました。