あきりんの映画生活

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「お嬢さん」 (2016年)

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2016年 韓国 145分
監督:パク・チャヌク
出演:キム・ミニ、 キム・テリ

エロティック・サスペンス。 ★★★

原作「荊の城」の舞台はヴィクトリア朝時代のイギリスとのこと。
それを日本の統治下の朝鮮に置きかえて、莫大な財産を巡る愛憎劇にしている。
これはなかなかに工夫をした設定。
監督はあの衝撃作「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督。さあ、どんなだ?

結婚すれば莫大な遺産を相続するはずの日本人令嬢のお嬢様(キム・ミニ)。
彼女との結婚を企む詐欺師(ハ・ジョンウ)は藤原伯爵と名乗り、手先のスッキ(キム・テリ)をメイドとして屋敷へ送り込む。
はたして伯爵の思惑は成功するのか?

映画は三部構成になっている。
第一部は、メイドとして屋敷へやってくるスッキの目線で語られる。
スッキの役割は、お嬢様が伯爵と結婚するように仕向けること。
策略が成功して結婚できた暁には、伯爵はお嬢様を精神病院に閉じ込めて財産を独り占めしようという魂胆。
スッキも充分な報酬を貰うことになっていた。しかし・・・。

物心ついたときから屋敷から出かけることも許されずに、性的に狂っているような叔父に育てられているお嬢様。
何も知らない初心なお嬢様は、その叔父に卑猥な本の朗読をさせられたりしている。
ああ、可哀想なお嬢様。
いつしかスッキは、お嬢様をお守りしてあげなくては、と思い始める・・・。

韓国映画なので(という言い方は、偏見?)、とてもねちっこい。
ものものしく大袈裟なお屋敷の中でくり広げられる、ときに卑猥な物語が、観ている者に絡みついてくる。
すっきり爽やか、の正反対の雰囲気で迫ってくる。

(以下、ちょっとネタバレ?)

第一部の最後、いろいろと頑張ってきたスッキだったが、あれ、そんなぁ・・・。

第二部は今度はお嬢様の目線で物語が語られる。
スッキの側から見た物語はああだったが、お嬢さんの側から見た物語はこうだったのだよ。

そして第三部。いろいろと策略を講じて頑張ってきた伯爵だったが、あれ、そんなぁ・・・。

原作はベストセラーということ(未読)。
映画も物語の展開は工夫されていて、大変によくできている。
ただ、どうも悪趣味なエロさが加味されていて(映画はそのあたりも評判になったらしいのだが)、そこが私にはもうひとつだった。

実はこの映画は「哭声/コクソン」との2本だてで観た。
どろっとした濃い味のスープと、これでもかのこってり味付けの肉料理を、さあ、どんどん喰え!と言われて食事したような、しばらくはもう結構です、と言いたくなるような鑑賞だった(汗)。

こってり料理はどちらも美味しかったのですよ、念のため。