あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「愛より強く」 (2004年)

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2004年 ドイツ 121分
監督:ギアテ・アキン
出演:ピロル・ユーネル、 シベル・キケリ

捩れた愛のかたち。 ★★★

監督はトルコ系ドイツ人とのこと。そして映画の主人公二人もハンブルグに住むトルコ系人種。
映画の合間にはトルコ音楽の演奏が挟み込まれる(この音楽がとても好い)。
素直ではない、けれど激しい愛の物語。

愛する妻に死なれたジャイト(ピロル・ユーネル)は、酒に溺れる毎日。
泥酔状態での暴走運転で壁に激突して病院に搬送される。そこでシベル(シベル・ケキリ)に会う。
彼女は家族の束縛から自由になりたくて、自殺未遂をはかって入院させられていた。

要するに、どちらも暗い希望のない人生を送っていた二人なのである。
シベルがジャイトにいう、私と結婚して!
シベルはトルコの家族制度の束縛から逃れるための方策として、偽装結婚を頼んできたのだ。
もちろん形だけの結婚よ、セックスもなしよ。

こうして割り切った関係で同居生活を始めた二人。
ジャイトには気心の知れたセックス・フレンドがいるし、シベルも気ままに男あさりをしている。
このまま二人とも相手を気にしないでいられれば、それはそれで落ち着いた生活が続いたのだろうが・・・。

出演している俳優には馴染みの人はいなかった。
ヒロイン役のシベル・ケキリは、マーケットか何かで働いているところをスカウトされて、300人以上のオーディションで選ばれたとのこと。
化粧によって雰囲気を変えられる可愛い娘系の顔立ち。愛の遍歴をしたりする分けなので、堂々の体当たり演技をしている。
(ある情報によると、彼女はポルノ女優をしていた過去があったとか・・・)

さて。
割り切ったつもりでいたジャイトだったが、同じ部屋で暮らして、手料理を食べたりしていれば、あれ?俺は彼女のことが好きになっているのかな?
しかし、シベルの方はあいかわらず別の男と夜を過ごしに行ってしまう。う~む。

一度だけ気分が盛り上がった二人がベッドを共にしようとする。
そのいよいよの行為の直前になって、シベルは「やっぱり駄目よ、私たちが本当の夫婦になってしまう!」 とジャイトを拒む。
シベルの気持ちがよく判らない。
何故、本当の夫婦になってしまってはいけないんだ?

このあとも二人の関係は捩れていく。
ある事件のために二人は離ればなれにならざるを得なくなる。その別れの時に、シデルはジャイトの手をとって、いつまでも待っているわ、と言うのだ。
会えなくなるときになって、お互いに相手を必要としている自分に気づいたのだ。

ここから舞台はトルコのイスタンブールに移る。
ここでも判らないのはシデルの心。ジャイトを恋しく待つあまりに、ドラッグに溺れ、男たちに翻弄されていく。
自堕落な生き方しかできないのか、お前は!

(以下、ネタバレ)

何年かが経ち、ジャイトはシデルに会いに行く。
そのときのシデルはどうなっていたか・・・。
明日正午のバスで一緒に俺の故郷へ行こう。
シデルはどんな選択をしたのか。二人はどうなっていったのか・・・。

ベルリン映画祭で金熊賞を取っています。
その他にもヨーロッパ映画賞で作品賞を、全米批評家協会賞で外国語映画賞をとっています。