2015年 アメリカ
監督:ライアン・クーグラー
出演:マイケル・B・ジョーダン、 シルベスター・スタローン、 テッサ・トンプソン
あのロッキーのスピン・オフ作品。 ★★★
物語は単純明快。
ボクシング好きの青年アドニス(マイケル・B・ジョーダン)は、実はロッキー(シルベスター・スタローン)の宿敵にして親友だったアポロの忘れ形見だった。
ボクシング界から身を引いていたロッキ-だったが、いつしかアドニスのトレーナーとなって、二人でチャンピオン戦に臨む、というもの。
ロッキーはいまははもう老いを抱える身。
エイドリアンも親友も亡くなってしまい、思い出のレストランの主として余生を送っている身。
アドニスはそんなロッキーの最後の生き甲斐になったのだろう。
なつかしい鶏追いかけトレーニングもやらせるし、片手腕立て伏せもやらせる。
ロッキーを尊敬しているアドニスは黙々とトレーニングをこなしていく。
そして、フィラデルフィアでダントツの強さを誇る相手との試合が組まれる。
でも、周りの誰もがアドニスが最後までリングに立っていられるなんて思っていないわけだ。
しかし、アドニスが勝ってしまうわけだ。
みんな驚くわけだ。おいおい、あいつは何者だ? どうしてロッキーがトレーナーをしているんだ?
で、アドニスがあのアポロの忘れ形見だという身元がばれてしまう。
マスコミはそのニュースに飛びついてくる。
そのニュースを利用して、引退を考えていた世界チャンピオンが相手に指名してくる。
もちろんその間にはアドニスの恋物語のエピソードも挿まれる。
恋人役にテッサ・トンプソン。どこかで観た顔だなあと思っていたのだが、「マイティ・ソー バトルロイヤル」に出ていたんだ。
ちょっと上を向いた鼻がキュート。
もちろんロッキー自身にも事件は起きる。
なんと癌の宣告を受けてしまうのだ。
もう自分には生きている意味はない、癌の治療なんか受けないぞ。そう言い張るロッキーをアドニスが支える。俺のために治療を受けてくれ。
抗がん剤治療を受けるロッキーの傍らでアドニスはトレーニングをつづけていく。
好いねえ。
そしてやってきたチャンピオンとの試合場面。やはり熱くさせてくれる。
憎まれキャラながら、さすがにチャンピオンは強い。アドニスは激しく打たれ続けて劣勢がつづく。
しかし、序盤であっけなく倒されるだろうとの周囲との思惑とは裏腹にアドニスは必死に頑張りつづける。熱くなる。
あのロッキーのテーマは流れないのかなと思っていたら、いよいよのクライマックス、最終ラウンドが始まる時に流れた。
やはり1回は流してくれなくては。
試合はどうなった?
ラストの場面は、ロッキーがジョギングをしては拳を高く突き上げていたフィラデルフィア美術館のあの階段の上。
しかし、ロッキーとアドニスが上った階段の上で、あの決めポーズはなかった。残念。
老いたロッキーをそのままで見せながら、ロッキー・シリーズの系譜をきちんと継いだ作品だった。