1980年 アメリカ 118分
監督:ジョン・アービン
出演:クリストファー・ウォーケン、 トム・ベレンジャー
傭兵もの。 ★★
原作は、あの「ジャッカルの日」のF・フォーサイス。
骨太の経済小説や男のドラマを描く人なので、その映画化作品にも少なからず期待をして鑑賞。
しかし、どうも今ひとつ盛り上がらなかった。
傭兵のシャノン(クリストファー・ウォーケン)は、ある会社の依頼で南アフリカの独裁国家に潜入する。
その会社は事業のためにクーデターを起こし、自分たちに都合のいい政権にしたがっていたのだ。
どうだい、クーデターは成功しそうかい? 上手くいったら10万ドルを払うよ。
ということで、シャノンは昔の仲間(トム・ベレンジャーなど)とともに独裁国家へ向かう。
ということなのだが、物語にはほとんどひねりがない。
主人公のクリストファー・ウォーケンは結構好きな俳優だが(先日観た「パニッシュメント」でも好い味を出していた)、この映画ではあまり役柄に合っていなかった。残念。
この映画を薄く感じたところは、主人公が傭兵であることの意味を描いていなかった点にあるだろう。
同じフォーサイス原作の「ジャッカルの日」では、狙撃手という主人公の人間が充分に描かれていた。
そしてジャッカルの狙撃を阻止しようとする警察官もよく描かれていた。
だから登場人物たちと一緒になって物語を楽しめた。
この映画ではそのあたりはとても淡泊だった。
さすがに終盤のクーデターの場面は魅せてくれたが、それでも、えっ、これだけでクーデターが成功しちゃうの?といった感じもあった。
これではクーデターというよりも、単に独裁者の暗殺だけではないの?
軍隊の掌握などの根回しとか、そんなのは?
ということで、少なからず肩すかしを食らった映画だった。