2013年 イギリス 115分
監督:ショーン・エリス
底辺社会のアクションもの。 ★★★
田舎の生活に困窮したオスカーは、妻や2人の幼子を連れて大都会のマニラへ出てくる。
都会ならば生活の糧があるかと思ってのことだったが、結局はスラム街で暮らすしかない。
やがてオスカーはその体力を買われて警備員の仕事に就く。
惹き文句では、マニラのことを”世界で最も危険な街”としている。
たしかに観光客にはわからないような闇の部分があるのだろう。
この映画は、そんな危険な街の底辺で生きていく一家を追っている。
しかし堅苦しい映画ではない。
主人公が巻き込まれていくヤバイ状況に、いったいどうなるのだろうと、充分なエンタメ性をもっている。
オスカーたちの警備の仕事というのは、どうやら訳ありの大金を銀行へ運ぶこと。
なんと装甲車で街中を移動し、当然銃火器で武装もしている。
マニラではそんな武装した輸送車でも襲ってくる輩がいるようなのだ。
なにくれとオスカーの面倒を見てくれる警備員の先輩オングは、これまでにも同僚を亡くしているのだ。
主役の俳優は全く知らない人だったが、なかなかのイケメンだった。
奥さん役の人もいわゆる東南アジア美人だった。
やがてオングは、輸送している大金を横取りする計画を持ちかけてくる。
えっ、そんな計画が上手くいくの?
しかしお金があれば、今のスラムでの生活から抜け出せる・・・。
さあ、どうする? どうなる?
(以下、ネタバレ)
無理に開ければ中のお金が使えなくなってしまう仕掛けの鞄、その鞄にに入ったままの大金。
そしてその鞄を開けるための鍵。
夫がわが身を犠牲にしてまで手に入れて妻に渡そうとしたその鍵。
最後、少しは救われたような気持ちになって映画を見終えた。
監督のショーン・エリスは写真家でもあるようだ。
そのためか、画面の切り取り方は大変に美しい。
イギリス映画だが、フィリピンでオールロケをしている。
サンダンス映画祭ワールドシネマ部門でドラマ観客賞を受賞しています。