2017年 アメリカ 104分
監督:マイケル・グレイシー
出演:ヒュー・ジャックマン、 ザック・エフロン、 ミシェル・ウィリアムズ、 レベッカ・ファーガソン、 ゼンデイヤ
ミュージカル仕立てのショー・ビジネスもの。 ★★★
(お断り)
この映画のある部分について否定的なことを書いています。この映画がお気に入りだった方、ご免なさい。
この映画の主人公の興行師バーナムは、19世紀に実在した人物とのこと。
彼の半生をミュージカル仕立てで描いている。
バーナム役にヒュー・ジャックマン。
彼は「レ・ミゼラブル」でも充分な歌唱力を披露したとのこと(私は未見)。ブロードウェイなどの舞台にもでているらしい。
さて、物語。
貧しい少年時代を送ったバーナムは、資産家の娘チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と駆け落ち同然に結婚する。
そして妻や子供たちのためになんとかショー・ビジネス界での成功を追い求める。
ということで、物語の部隊がショーなので、歌も踊りもふんだんに盛り込める。
とくに作中で歌われる曲は、(ミュージカルが苦手な私でも)惹き込まれるような迫力があった。
大したもの。
ただ、どうしても気になったのは、彼が企画発案したショーの中身。
彼は人目を惹いて人気を集めるために、いわゆる”フリークス”の人たちを集めて見世物にしたのだ。
小人症の男性や末端肥大症の男性、多毛症の女性、異常肥満の女性、などなど。
人間の尊厳とは別の次元の話として、肉体的には人は生まれたときから決して平等ではない。
映画の流れとしては、社会から疎外されてきた異常な肉体的特徴を持つ彼らを、”ユニークな人”として、陽の当たる場所に出してやった、彼らに尊厳を取り戻してやった、ということなのだろう。
しかし、ちょっときれい事にしている気がどうしてもしてしまった。
ということで、歌と踊りは大変にすばらしく、ミュージカルそのものとしては上々の出来だと思えた。
ただその物語そのものには、どうも釈然としないものが残った。