あきりんの映画生活

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「追憶」 (2017年)

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2017年 日本 99分。
監督:降旗康男
出演:岡田准一、 小栗旬、 柄本侑、 安藤サクラ

幼なじみが再会するサスペンス。 ★★★☆

監督が降旗康男で、カメラが木村大作とくれば、もうこれは黄金コンビである。
主役に健さんがいないのが寂しいくらい(笑)。
それはさておき、本作は過去の秘密を共にした幼なじみが再開する物語。

富山県の漁港で殺人事件が起こる。
被害者は、東京から金策に出かけていた川端悟(柄本佑)で、捜査に当たる刑事の四方篤(岡田准一)の幼なじみだった。
しかも、川端は事件の前日に地元の土木会社社長の田所啓太(小栗旬)と会っていた。
彼もまた四方の幼なじみだった。
こうして、被害者、容疑者、そして捜査者という立場で3人の幼なじみが再会する。

とくると、どうしても先日観たイーストウッド監督の「ミスティック・リバー」を思い浮かべてしまう。
あちらも一つの事件をきっかけに幼なじみ3人が再会する物語だった。
どちらかと言えば暗い、救いのあまりない映画だった。
それに比べて、こちらは見終わったあとはおだやかに気持ちがほぐされるようだった。

さて。
3人は誰にも言えない25年前の秘密を共有していた。
それぞれに恵まれなかった幼い3人の面倒をみてくれたのは、”ゆきわりそう”という喫茶店をしていた涼子(安藤サクラ)だった。
涼子はある事件から3人を助けるために、自分が犠牲になったのだ。
そしてその秘密を守るために、3人にもうこれから先会ってはいけない、と言ったのだ。

安藤サクラが好かった。
それに涼子に秘かに想いを寄せていた常連客を演じた吉岡秀隆
吉岡もあの「北の国から」のイメージがあまりにも強く残っていて、成長してからは困るだろうなと思っていたのだが、すっかり好い俳優になった。

四方は田所の無実を信じたいと思うのだが、その田所は頑なに口を閉ざして何も語ろうとしない。
いったい彼は何を守ろうとしているのか。

この映画の眼目は、事件の犯人が誰かといったサスペンス部分ではなかった。
過去の秘密を共有した彼ら3人の、その後の人間ドラマだった。
かっての日に自分たちを助けてくれた涼子の、今の病んだ姿を見る四方。
幼なじみ3人のドラマなのだが、その陰にあった涼子の人生はいったい何だったのだろうと思うと、切なくなってくる。

そして、田所が何ものにも変えて守ろうとしていたもの、その謎が明かされたとき、ああ、と思ってしまった。
そうだったのか。
一番脳天気に暮らしていたのは(ちょっと言い方が悪いか)、一番一人勝手にトラウマにとらわれていたのは、四方、あんただったじゃないかい。

海を望む高台にあった”ゆきわりそう”からの風景が美しく、この映画も終わっていく。
無駄な部分がなく、100分足らずにまとまった好い映画でした。