1974年 アメリカ 131分
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャック・ニコルソン、 フェイ・ダナウェイ
探偵サスペンスもの。 ★★★☆
私立探偵のジェイク(ジャック・ニコルソン)はモーレイ夫人から夫の浮気調査を依頼される。
尾行して盗み取りした写真がなぜか公になってしまい、それを見た女性(フェイ・ダナウェイ)が現れる。私が本当のモーレイ夫人です。えっ?
そしてその夫モーレイの水死体が発見される。
舞台は1937年のロスアンゼルス。
探偵ものといえばこの時代!といった雰囲気で描かれている。
(この1年後の映画が、ロバート・ミッチャムがフィリップ・マーロウを演じる「さらば愛しき女よ」だった。)
タイトルのチャイナタウンは、ジェイクがその地区で育ったという過去があるところから来ている。
その街の名には、”見て見ぬ振りをする街”といった意味合いも込められているようだ。
ジェイクも深みに踏み込まないように警告されていたのに、やはり、ハードボイルドではそうはいかないわけだ(苦笑)。
モーレイ殺しの背後には大きな利権が絡んでいた。
温和な顔つきで紳士然としていながら、実は大変に腹黒い人物クロス役にジョン・ヒューストン。
おや、傑作映画「マルタの鷹」の監督がこんなところに・・・。
そしてモーレイ夫人役のフェイ・ダナウェイが、哀しい秘密を抱えた女性として魅力的。
夫モーレイの”愛人”と密会したりしているのだが、実は・・・。
彼女は、紳士然としたクロスともなにやらどろどろとした因縁がありそうで・・・。
謎に迫ろうとしたジェイクは脅しをかけられ、ナイフで左の鼻の穴を切り裂かれてしまう(痛そう!)。
おおきなガーゼを当てて傷口を隠すジェイク。
この印象的なニコルソンの顔写真でこの映画を記憶している人も多いのではないだろうか。
物語はいささか憂鬱な感じの幕切れとなっていく。
(えっ、死んじゃうの!?)
これぞハードボイルドだという苦さといってもいいのかもしれない。
見応えのあるハードボイルド映画である。
J・ゴールドスミスのジャジイな感じのテーマ曲がまた渋い。
この手の音楽としては、トム・スコットの哀愁帯びた音色の「タクシー・ドライバー」と双璧をなすのではないだろうか。
後に、ジャック・ニコルソン監督・主演で続編「黄昏のチャイナタウン」が作られているとのことです。