あきりんの映画生活

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セブン・シスターズ」 (2016年)

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2016年 イギリス 123分
監督:トミー・ウィルコフ
出演:ノオミ・ラパス、 ウィレム・デフォー

近未来サスペンス。 ★★★

近未来はディストピアというのが定番だが、この映画もそう。
地球資源は減り続け、遺伝子組み換え作物の影響で多胎児ばかりが生まれてくる。
このままでは人類は滅亡してしまうということで、強力な”ひとりっ子政策”が施行されている。
2人目以降は強制的に児童分配局で冷凍保存されるのだ。
そんな世界の片隅で7つ子が生まれた。

この映画は、祖父(ウィレム・デフォー)によって秘かに育てられた7姉妹の30年後を描く。
”月曜”から”日曜”までの名前をつけられた彼女たちは、世間に対しては7人で一人を演じている。
隠れ家で暮らす彼女らは、該当する自分の曜日にだけ、家を出て銀行で働き帰宅する。

この7人を演じているのがノオミ・ラパス
髪の色や髪型まで違う7人それぞれの個性を、それこそ性格まで違えて演じている。
お見事。次第に1人7役とは思えなくなってくるほど。
(もちろん外出するときは、カツラをつけ、メイクもばっちりと決めて、同一人物であるようにふるまうのだ)

それにしてもこの7人の生活は大変だろうなあと思う。
外出していた一人の行動を、残りの6人は把握しておく必要がある。
そうでないと、自分が外出したときに周りから不信感を抱かれてしまう。
あれ、俺、昨日約束したよね、なんて言われてしまう。これは大変だなあ。

そんなある日、“月曜”が夜になっても帰宅しない。
彼女に何が起こったのだ? ”火曜”はいつも通りに翌日に外出していいのか?
これからどんどんとサスペンス・タッチで緊迫した状況となっていく。

ノオミ・ラパスの体当たり演技の濃厚場面もあり、文字通りに身体を張ってのアクション場面もある。
児童分配局の武装実働部隊は出動してくるわ、大がかりな政治的陰謀が背後では渦巻いているわ。
内容は濃い。
おお、7人の姉妹も情け容赦なく、次々と・・・。

(以下、完全ネタバレ 注意!)

そうなんだよねえ、7人で一人の人格を分け合っているといっても、誰かが恋に落ちたら、人格を独り占めしたくよねえ。
そりゃ、好く判る心理状態だ。
でも、だからといって、あんた一人が幸せになればいいってのかい?

オリジナル「ミレニアム」で尖った印象だったノオミ・ラパス
この映画でも、やはり尖っています(苦笑)。