あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「溺れる人」 (2000年)

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2000年 日本 82分
監督:一尾直樹
出演:片岡礼子、 塚本晋也

愛が死んだ? ★★

風呂場の蛇口から落ちる水滴を見つめていたクミコ(片岡礼子)。
彼女はそのまま風呂の中で溺死したようだった。
白濁した湯の表面に漂う髪の毛。
風呂の底に沈むクミコを発見した夫のトキオ(塚本晋也)は、逡巡しながらも救急車も呼ばずに放置する。
翌朝、クミコは目ざめ、泥酔したトキオを介抱していた。

という始まり。
たしかに死んでいたはずのクミコが生きていることに戸惑うトキオ。
何にも覚えていないの、というクミコ。
果たしてクミコは生きているのか、それともやはり死んでいる存在なのか。

映画はマンションの一室の中での二人の日常を淡々と追う。
あらわれるのは彼ら二人と、あとはちょっとだけクミコの母親と、トキオの後輩だけ。
青みがかった色調の画面の中で、二人の気持ちのずれが次第に大きくなっていく。
死んでしまったのは、クミコの気持ち?

一尾監督は映画研究会などで自分の映画を撮ってきた経歴を持っている人らしい。
この映画もいかにもそんな風な雰囲気を持っている。
自主制作の監督作品「鉄男」で話題となり、俳優もしている塚本晋也は、この映画には合っていた。
相手役の片岡礼子もきれいだったし。

82分という短い作品。
物語を描くというよりも、二人の間に漂う空気感みたいなものを差し出してくる作品。
いわゆる”詩的な”作品。

評価は低くなってしまったが、これは私が年老いてしまったからだと思う。
もっと若い人が観れば、もっと何かを感じることが出来るのではないだろうか。