あきりんの映画生活

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「海賊と呼ばれた男」(2016年)

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2016年 日本 145分
監督:山崎貴
出演:岡田准一、 吉岡秀隆、 綾瀬はるか

昭和を駈けた男の伝記物。 ★★

最初にお断りだが、この映画はTVの、それも地上波で観た。
150分番組だったが、途中でCMを挟みながらなので、145分の本作では少なからずカットされた場面があったと考えられる。
それが感想にどれぐらい影響を与えているかはわからない。

出光興産創業者の出光佐三をモデルとした伝記もの。
原作は百田尚樹で、かなりのベストセラーとなったらしい(未読)。
で、結論から言って、どうも物語の筋を追うことに忙しくて深みには乏しかった。

昭和初期に石油販売業を営む青年、国岡鐡造(岡田准一)。
独創的な経営戦略で同業者からの反発をくらいながらも、社員(吉岡秀隆など)と一丸になって石油を売りまくる。
やがて太平洋戦争、戦後の混乱期とつづいていく。

国岡が見合い結婚をして夫婦となったのが綾瀬はるか
この奥さんが、主人公の苦しいときも励まし支えて困難を乗り越えていく(わざわざ綾瀬はるかを起用しているのだし 汗)のだなと思って観ていたら、あれ?
仕事一途の国岡とあっさりと離婚。以後登場せず。あれぇ。

国岡が偉かったのは、石油がいずれ経済の中心になると見通していたところ。
戦後の混乱期に一時はラジオ修理業などでくいつなぎ、石油販売に戻ってくる。
この大局観は立派。

不思議だったのは、会社がつぶれかけそうなほど困窮していたのに、いつのまにか自社タンカーを建造していたこと。
そんなに経営に余裕があったのかい?

おそらくクライマックスは、石油メジャーから締め出しをくって、石油の輸入ルートを絶たれた国岡が、紛争地帯のイランに自社タンカーで買い付けに行くところだろう。
しかし、ここは狙いほどには盛り上がっていなかった。
他の部分とまったく同じ密度なのだ。

伝記物の宿命かも知れないのだが、物語に強弱が乏しかった。
流れが平板に思えてしまったのは、決定的に痛かった。
せっかく岡田准一の映画だったのに。
残念でした。