1989年 イギリス 133分
監督:ジョン・グレン
出演:ティモシー・ダルトン、 キャリー・ローウェル、 タリサ・ソト
4代目のジェームズ・ボンド、ティモシー・ダルトンの2作目でシリーズ第16作。★★☆
やはりダルトンのボンドは不評だったようで、この作品で交代となる。
個人的にはダルトンの顔つきの濃さが、007にはふさわしくない風貌に見える(笑)。
内容的には、友人の仇を取るための南米の麻薬王との対決。
で、活躍の舞台もほとんど移動しないし、追いかけっこも限られた範囲内で終始する。
華麗に世界のリゾート地を転々としてアクションを繰り広げるという、007でお約束の夢物語の要素が少ない。
だから、全体として007ものとしてのお洒落感が少ない。
そればかりか、かなりグロテスクな場面も出てくる。友人がやられるところもそうだし、ボンドが報復をするある手段もそう。
ぜんぜんお洒落じゃないぞ。
ただし小型飛行機やタンクローリーでのアクション場面は、007として十分な迫力は持っていた。
これに関しては合格点。
ヒロイン2人はなんとなく中途半端。
麻薬王の情婦だったタリサ・ソトが、最後に大統領になっているというのは、あまりにもご都合主義なんじゃないか。
あまりにもお気楽路線に流れてしまったロジャー・ムーアものの後半の作品よりは、ずいぶんとしっかりした路線には戻っている。
しかし全体的に地味で、007ものとしてはそれほど良い出来とは思えない作品。
可もなく不可もなくといったところです。