2006年 香港 109分
監督:ジョニー・トー
出演:アンソニー・ウォン
香港マフィアの抗争に翻弄される男たちの友情 ★★★☆
組長暗殺に失敗した一人の男を殺すために二人の男が家に来る。
かたや、その男を助けるためにも二人の男がやってくる。
そこへ男が戻ってきて、5人が入り乱れる銃撃戦になる。
しかし、この5人は幼なじみなのだ。
男の赤ん坊が泣き出し、5人は休戦をして一緒に食卓を囲みはじめる。
それぞれの立場をかかえながらも、幼なじみの友情がある。
互いの距離を保ちながらも、最後のところでは相手を思っている。
香港マフィアものとしては「男たちの挽歌」、それもシリーズの中で最高だと思っている「Ⅱ」の系譜を継いでいる。
中年男たちが渋い。そして乱れ飛ぶ薬莢、美的な銃撃戦が酔わせる。
一昔前の高倉健「昭和残侠伝」シリーズに代表される東映やくざものと同じカタルシスを味わうことができる。
映画館を出るときにはサングラスが欲しいぜ(笑)。
死を覚悟して最後の戦いに臨んだときに、5人がプリクラで戯れるのが、なんとも印象的。
(「インファナル・アフェア」の時にも思ったのだが、アンソニー・ウォンはやはり宍戸穣に似ている。)
中年男のロマンがあり、香港ノワールの傑作でしょう。