2006年 アメリカ 128分
監督:スパイク・リー
出演:デンゼル・ワシントン、 クライヴ・オーエン、 ジョディ・フォスター
知能的銀行強盗もの ★★★
大勢の人質をとって銀行に立てこもる強盗犯の頭脳的な手口にNY市警は立ち往生をしてしまう。
これだけの計画を練った犯人の意図はなになのか?と興味をつないで飽きさせない。
強盗犯首領のクライヴ・オーエンは渋くてなかなかに良い。
それにひきかえ担当警察官のデンゼル・ワシントンは軽口を叩き、結構脳天気なところを見せている。
途中から横やりを入れてくるジョディ・フォスターはバリバリのキャリアーという雰囲気で颯爽としている。
しかし、これだけの役柄ではちょっともったいないなあ、という出方。
人も死なず、拳銃も撃たれない綿密な作戦の知能的な立てこもり犯で、人質に自分たちと同じ服装をさせて警察を混乱させるあたりはよく練られている。
だが、よく考えるとおかしなところもある。
立てこもりの目的と犯人たちはどんなつながりがあったのか、その目的の場所をどうして犯人たちは突き止めたのか、などの説明が全くない。
ここはちょっと不満の残るところ。
全体的には、強盗ものの派手なアクションを期待している人には肩すかしだろうが、犯人と警察の駆け引きなど、静かな緊張感を充分に楽しめる作品であった。
(以下ネタバレ)
タイトルの「インサイド・マン」ってのは、文字通りの意味だったことに最後に納得。
しかあし、あんな張りぼての壁で大丈夫だったのかなと不審に思ってしまう。
それに、必死で床に掘っていた穴も、もっと意味があるのかと思っていたら、インサイドに居るためのトイレの穴だったんだ。なあんだ(笑)。