2013年 129分 アメリカ
監督:マイケル・ベイ
出演:マーク・ウォールバーグ、 ドウェイン・ジョンソン、 エド・ハリス
どたばたサスペンス。 ★★☆
マイアミで暮らすダニエル(マーク・ウォルバーグ)は筋トレだけが生きがいのスポーツジムのトレーナー。
俺のこの筋肉を見てくれ。俺は本当はもっと認められてもいいはずなんだ。
そこでダニエルは、ジムの常連客である裕福ビジネスマンの誘拐を企む。
よし、彼の資産をのっとってやるぞ。
よし、同僚のエイドリアン(アンソニー・マッキー)、前科者のポール(ドウェイ・ジョンソン)を仲間に引き込んだぞ。
副題は「史上最低の一攫千金」。
こうして筋肉バカ・トリオが誕生して、誘拐にも成功(何せ体力だけはあるから力業は大得意なのだ)する。
しかし、後先考えずに行動に移すものだから、こんな筈じゃなかったという展開に。
その結果、ありゃあと言いながら、かなりグロいことまでしてしまう羽目にもなる。
そう、この映画、筋肉トリオは結構酷いことまでしてしまうのだ。それも罪悪感など一切なし。
そこがこの映画の恐ろしいところ。
そしてさらに恐ろしいのが、これが実話を基にしているというところ。
本当にこんなことまでしてしまった奴らがいたのか。
そんな普通に考えれば並の神経ではしないようなことを、だって仕方ないじゃん、とやっちゃうのだ。
うっかりと人を殺したときも、どうしよう、そうだ、筋トレしなきゃ!のひとことには笑ってしまう。
おいおい、本当に筋肉バカだぜ。
そんな中で面白かったのはドウェイ・ジョンソンの立ち位置。
いつもの頼れるタフガイとは違って、考えなしのコカイン中毒者。それなのに信仰深くてお人好し。非情になりきれない人間味を残していた。
なんとか大金を奪うことに成功したダニエルたちだったが、そんな彼らの前に迫ってくるのが私立探偵のエド・ハリス。
渋いよ。この映画の格好好いところは彼一人に任せていたな。
マッチョな奴はバカだというのは偏見だ、という意見があるが、この映画を観ると、な~んだ、やっぱりそうなんだ、と納得してしまいそう。
徹底的にマッチョをおちょくっている。ひょっとして、監督はマッチョに恨みを持つひょろひょろのもやし人間なのか?
ブラック・コメディ(その割にはグロいけれど)として、アホやなあと呆れながら観るのが正解の映画。
最後に実際の彼らのその後が本人映像と共に紹介された。
ダニエルとエイドリアンは死刑、ポールは改心の気持ちが強く操作にも協力的だったということで懲役15年だった。