2024年 128分 日本
監督;田村直己
出演;米倉涼子、 染谷将太、 岸部一徳
エンタメ医療ドラマ完結編。 ★★☆
元は大ヒットとなったテレビドラマ。10年以上前からのべ7シリーズが放映されている。
私もそのうちのいくつかは観ていたので、ヒロインやその仲間たちについては了解していた。
このドラマもこれで完結ということなので、それならば観ておこうかと。
冒頭、銃をかまえた兵士に囲まれながら大門未知子(米倉涼子)が瀕死状態の某国大統領の困難な手術を成功させる。
決めぜりふの「私、失敗しないので」も健在。
今回は東帝大学病院の新病院長に凄腕外科医の神津比呂人(染谷将太)が就任してくる。
大胆な病院の経営合理化を進め、前病院長(西田敏行)もおろおろ。
そんななかで未知子はピンヒールをこつこつと鳴らして登場し、月200件の手術を高額報酬で請け負ったりする。
早く終わったからその手術も私がやって上げようか。
今作では未知子の過去も描かれている。
彼女もはじめから名医だったわけではないのだ。
そしてこれまで謎だったお調子者の名医派遣業の晶さん(岸辺一徳)の過去も明らかになる。
なんと彼も医者だったのだ。そして未知子の師匠だったのだ。へぇ~、知らなかった。
二人にはそんな絆があったんだ。
あの決めぜりふ「私、失敗しないので」の由来も描かれている。
あの台詞の目的は自分自身の鼓舞だったのだという説明も、なるほどとうなずけるものだった。
この映画が感慨深かったのは、西田敏行がいつもどおりの権威欲に溢れた、それでいて人のいい院長役を演じていたこと。
つくづく好い俳優だったなあと思う。
さて。今回の敵役は、一卵性双生児の一人だった新院長の神津(染谷将太)。
神津が胎児だったときに、双胎間輸血症候群の血管遮断術をしたのが晶さんだったという過去の因縁があった。
でも、その手術が原因で先天性心疾患(ファロー四徴と言っていた?)になるはずはないので、神津の恨みは的外れだった気がするのだが・・・。
医療監修はちゃんとプロがしているのだろうけれど。
その他に、みんなが思ったであろう突っ込みをいくつか。
爆発直前の場面で、弟に扮した兄が車に乗り込むとき、あれ、電動車椅子はそのまま?
人工心臓をはじめから神津に装着すれば晶さんの心臓を取り出さずに済んだのでは?
あと、細かいところで気になった点もあった。
心移植をするのに体外循環装置を準備していないし、使用もしていない。どうするんだ?
大門未知子がひとりで心移植手術をしているときに誰も助手をしていなかった。吸引や術野展開はどうしたんだ?
それに、未知子が晶さんの心臓を取り出す間に、誰かが神津の心臓を摘出しておかなくては移植できないのでは?
ま、いろいろあるけれども、未知子がかっこいいからすべて許す。
これはそういうドラマです。御意。
エンドロールにはこれまでの懐かしいドクターXの出演者の映像がながれる。
ああそうか、こんな人がいたっけ、あんな人もいたんだった。
これは完結編の締めとしては上手いやり方だったな。