2021年 アメリカ 98分
監督:ロド・サヤゲス
出演:スティーブン・ラング
サスペンス・アクションもの続編。 ★★☆
「ドント・ブリーズ」の2作目である。
主人公は前作と同じ盲目の爺さん(スティーブン・ラング)。やっぱりメチャクチャ凶暴。
前作との物語上のつながりはなく、主人公の設定を同じにしたというだけ。
爺さんは高校生ぐらいの女の子を一人で育てているのだが、過保護というか、過干渉というか、まったく自由を与えない。
お前を危険から護るためだよ。お前を失いたくないんだよ。
本当に愛されているのだろうか、あまりに束縛されてちょっと少女が気の毒だぞ。
とその家にヤバい連中3人組がやってくる。さらに遅れてリーダーらしい男たち2人もやってくる。
娘を掠おうとしてやって来たらしいのだが、いったい彼らは何者? 娘を掠う目的は何だ?
前半に女の子を街へ遊びにつれていってくれる宅配便のお姉さんがいた。
好いお姉さん。それなのに悪い奴らにあっさりと殺されてしまう。可哀想。割と好みの美形だったのに・・・。
さて今回も爺さんは元ネイビーシールズで、盲目だがその戦闘能力はすごい。
それに戦い方に情け容赦がない。
ぐしゃ、ぐさっ、っという感じなのである。(目が見えないから、自分がどんなひどい状況を作り出しているのか判らない? 汗)
なかでも、爺さんが悪の一人の鼻と口を接着剤で塞いでしまったのには驚いた。すさまじいな。
それを見つけた仲間が一刻を争っての呼吸確保のために頬に刃物を突き刺して穴を開ける。これもすさまじいな。
そして爺さんの戦い方の細かいところがリアルである。
床に水たまりを作り、接近してきた敵の位置や人数を指先で感じる水紋の揺れで把握するのだ。
敵はこちらか、一人だな。・・・なかなかに考えている。
以下、いささか物語のネタバレになるのだが、この映画は物語を追って楽しむことは主眼にはしてないから書いてしまおう。
襲ってきた悪のリーダーは、実は少女の本当の父親だったのだ。
少女を連れ戻すのが目的だったのだ。なんだ、誘拐犯は爺さんの方だったのか。
しかし、その連れ戻す目的がまた酷いものだったのだ。
母親への心臓移植のドナーとして娘を必要としたのである。
おいおい、少女は誰と一緒にいるのが幸せなのだ?
限定された場所での肉弾戦は、充分に迫力があった。1時間半あまりの尺もあっという間にすぎたほど。
今作の不満点はただひとつ。
前作では、盗みに入った3人の若者たちの視点で物語が進んだ。
だから、盲目の老人が思いもかけないほどの強さと凶暴さで抵抗してきて、ついには若者たちが追い詰められていくといった恐怖感を出していた。
それに比して今作は爺さん側の視点で物語が進んでいく。
だから恐怖感は、襲ってきた正体不明の敵にあったわけだ。
しかしそれはよく見る範囲内の恐怖感となっていた。
アクションは迫力があったのだが、普通のアクション映画となっていた。
まあ、これは2作目の宿命ともいえるだろう。要部分は前作で使ってしまったのだから。
ということで、退屈する暇もないほどのぐしゃ、ばさっ、どすっの連続の映画です。
それ以上でもそれ以下でもありません。
特別なところはありませんが、つまらなくはないですよ。