あきりんの映画生活

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「フローズン・グラウンド」 (2013年) また若い女性の変死体が見つかったぞ

2013年 105分 アメリカ  
監督:スコット・ウォーカー
出演:ニコラス・ケイジ、 ジョン・キューザック、 バネッサ・ハジェンズ

猟奇サスペンスもの。 ★★

 

1983年アラスカ州アンカレッジで、手錠に繋がれてモーテルに監禁されていた娼婦のシンディ(バネッサ・ハジェンズ)が警官に保護される。
彼女はハンセンという男(ジョン・キューザック)に殺されそうになったと証言する。
しかしハンセンは善良市民と評判の人物だったことから、市警察は彼女の証言を無視する。
なあに、娼婦と客のいざこざさ。よくあることさ。

 

しかしそうではなかったのだ。
同じ頃に身元不明の少女の遺体が発見されていたのだ。
遺体は野生動物に食い荒らされていて無残な状態だったのだ。しかもそんな遺体が数体も発見されたのだ。
州警察のハルコム(ニコラス・ケイジ)は、シンディを監禁していた男が怪しいのではないかと調査を始める

 

この映画は実際の事件を元にしているとのこと。
それに拠れば、犯人であるハンセンは、12年間に24人以上の女性を拉致監禁、殺害したとのこと。どんな神経の持ち主なんだ。
この映画はその犯人と、捜査を進める刑事の双方の視点から描かれている。

 

舞台は荒涼とした雪原がつづく地方。
画面からは、雪道を走る車の軋んだタイヤの音が聞こえてきそうである。寒そう。

 

今から10年以上前の映画だが、ニコラス・ケイジはいつものように八時眉の困ったちゃん顔。
刑事の仕事に熱心のあまり、妻にはやや愛想を尽かされそうになっているという役どころ。
あと2週間で警察を辞めて転職する予定だったのだ。
しかし、執念の男なのだよ。犯人を追い詰めていくのだよ。

 

そして本作ではそのニコケイを食ってしまったのが犯人役のジョン・キューザック
なんとも気持ちの悪い人物像(そりゃ、連続猟奇殺人者だからね)。
俺は金を払って娼婦を買っただけだ。殺したりするものか。何も証拠がないだろうが。

 

事件のキーパーソンとなるのがただ一人の生き残りの娼婦シンディ。
ハンセンの有罪を証明する唯一の証人。
ハルコムはなんとかシンディの証言から有罪の証拠を見つけようとする。当然のこととしてハンセンはシンディを始末しようとする。

 

ところがそのシンディが観ていて苛々するような行動ばかりする。
底辺の暮らしをしていた彼女だから頼れるようなしっかりした友人などいない。
薬チュウとかぽん引きとか、そんなヤバイ連中しか周りにはいないのだ。そんな奴らはハンセンから金を積まれてシンディを捕まえようとするのだ。
せっかく保護した病院から勝手に抜け出してヤバイ連中がたむろするヌード劇場に戻ったりするシンディ。
おいおい、なに考えているんだよ。

 

なにやかにやとあって、やっとのことで、シンディも難を逃れ、ハンセンの有罪が確定する。
判決はいろいろな刑が合計されて、400年以上の禁固刑。
アメリカってそういう判決をするのだね。ざまあみろ。

 

最後に後日談と共に、被害にあった24人の実際の顔写真が流れる。
その後、シンディは結婚をして3人の子どもに恵まれたとのこと。すごい人生である。
そしてハルコムは結局は刑事を続けて、かなり高い地位ににまでなって職を全うしたとのこと。

 

雪景色と相まって、陰湿な事件の顛末だった。
こんな事件が本当にあったのだと思うと、アメリカってあらためてヤバイ国だなと思わされた。
(日本では、祟りじゃと叫んで猟銃で無差別殺傷をするぐらい?)