2004年 フランス 132分
監督:ジャン・ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、 クリスティン・スコット・トーマス、 エバ・グリーン
あの怪盗ルパンの若い日を描く。 ★★
モーリス・ルブランがルパン・シリーズを書いて100周年ということで、それを記念して作られた映画とか。
ルパンはずっと昔に、子供用のルパン・シリーズ(ポプラ社発行だった?)を読んで、大いに興奮したものだった。
(日本のアニメ「ルパン三世」は全く知りません)。
しかし、この映画のルパンは、そんな子供時代に抱いていたイメージのルパンとはかなり違っていた。
ルパン・ビギニング、とでもいうべきも彼の幼い日々のことから始まり、若い頃を描いているので、ルパンはまだ荒削りで貫禄もない。
主役はフランスでは有名な俳優らしいのだが、どうも、ルパンにイメージする慇懃無礼さとでも言った洗練されたところが感じられず、そこは不満。
ストーリーは「カリオストロ伯爵夫人」を原作にしているとのことだが、子供向けの全集では読んだことがなかった。(男女の関係が出てくるのでシリーズには入れにくかったのか?(笑))
このカリオストロ伯爵夫人がルパンを惑わせるのだが、まあ、悪女。
それに不死身、年もとらない。
この人物像はかなり大したもので、ルパンもいいように手玉に取られてしまう。
随所に「怪盗ルパン」に親しんだものには、にやりとする部分もあった。
たとえば、金庫の暗号が”813”だったり、宝の隠し場所はあの”奇岩城”だったり。
全体としては、いろいろなエピソードが詰め込まれすぎていて、浅く物語が流れていく。
もう少し整理した方がよかったのではないか。
それに、最後はどうしたこと? あんな終わり方でいいの?
クラリスの仇はとれていないし、なによりも、息子を取り返していないではないか! これで大きく減点。
まさか続編を作るつもりではなかっただろうな。
あ、クラリス役は、「カジノロワイヤル」のボンド・ガールの人でした。