1970年 アメリカ 172分
監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:ジョージ・C・スコット
アメリカの軍人ジョージ・パットンの伝記。 ★★
「大戦車軍団」と言うタイトルに騙されるが、これはパットンという一人の軍人を延々と描いた作品。
原題もただの「パットン」で、戦闘場面は副次的なものでしかない。
それにしても、パットンの極端な愛国心には呆気にとられる。
冒頭に大星条旗の前で演説をおこなうが、その内容たるや、本物のアメリカ人はこうあらねばならない、とか、ドイツ兵を殺しまくれ、とかで、とてもついていけない人物像が提示される。
その後の映画本編は、そんな演説そのものの行動をとるパットンの人物像をひたすら表している。
軍国主義で、ある意味ではロマンチストで、戦争が大好きで、といった奇矯な人間像。戦闘で負傷した兵士には涙するが、神経症のために戦闘不可となった兵士は殴りつける。
この極端な思考回路。
アメリカではこの人物の評価はどうなっているのだろうか。英雄なのだろうか?
上映時間もとても長くて、途中で眠くなるぐらい。
しかし、ジョージ・C・スコットの演技はすばらしいものだった。
彼は、この映画でのアカデミー主演賞を拒否している。
パットンという人物に感情移入が全く出来なかったので、こんな人物がいるのだなあ、とただ観ていただけでした。