2008年 アメリカ
監督:ロバート・ルケティック
出演:ジム・スタージェス、 ケイト・ボスワース
ケヴィン・スペイシー、 ローレンス・フィッシュバーン
頭脳派ギャンブルもの。 ★★
天才的な数学力をもつMITの学生ベン(ジム・スタージェス)は、教授ミッキー(ケヴィン・スペイシー)に誘われて、ブラック・ジャックの必勝法を習得するチームの一員となる。
そして、仲間と共にラスベガスへくりだし、大金獲得に挑む。
ブラック・ジャックの必勝法というのは「カードカウンティング」と呼ばれるもので、実際にある理論らしい。
すでに使われたカードを数字化することにより、残りのカードでディーラーが21を越してしまう確率を計算して賭けに出る、ということらしい。
(カードが17を越えるまではディーラーはカードを引かなければならないというルールを応用しているとのこと)。
ただこれらは映画を見終わってから調べたことである。
映画の中ではその説明は十分になされないので、カードの勝負の緊張感は全くと言っていいほど皆無。
これはこの手の映画では致命的ではないかと私には思えるのだが、監督は小難しい理論による緊張感は捨てて、スピーディな展開を狙ったのだろうか。
実際にカジノで数百万ドルを稼いだという実話がもとになっているとのこと。
設定からすればもっともっとわくわくするような物語を展開できたはずなのに、どうも妙にスカッとしないなあと感じるのは、事実に基づいて物語展開をしようとしすぎたせいかもしれない。
はじめは純真だった主人公は、次第にギャンブルにのめり込んで我が儘になっていく。
それに伴っての恋人(ケイト・ボスワース)や友人たちへの思いが変化していくのだが、どうも累計的な描き方で、深みは感じられない。
監督はそんな人間ドラマは捨てて、スピーディな展開を狙ったのだろうか。
そのわりには成功していない。
それに、あのどんでん返しに、何故彼女はつきあった? 事実だからと言われても、ちょっと、ね。
ケヴィン・スペイシーや、カジノの用心棒ローレンス・フィッシュバーンはいずれもさすがという演技だったのだが。残念。
退屈はしなかったのだが、この手のものに求める面白さはなかった。