あきりんの映画生活

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「ブラス!」 (1996年)

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1996年 イギリス 108分
監督:マーク・ハーマン
出演:ピート・ポスルスウェイト、 タラ・フィッツジェラルド、 ユアン・マクレガー

炭鉱労働者たちのブラス・バンド。 ★★☆

時代の流れで各地で炭鉱閉鎖が起こっていた頃の、イギリスの炭鉱の街が舞台。
特別手当をもらって炭鉱閉鎖に賛成するか、それともあくまでも閉鎖に反対するか、街は揺れ動いていた。
そんなこの街にはブラス・バンド・チームがあった。

イギリスでは、炭坑夫の余暇活動として各地にブラス・バンドが結成されていたようだ。
この街のバンドも数十年の歴史を持っており、楽団員は苦しい生活の中で、仕事が終わると練習に集まってくる。
そこへこの街の出身者だという若い女性、グロリア(タラ・フィッツジェラルド)がやってくる。

音楽演奏をテーマにした映画には感動作が多い。
音楽そのものが感情に直接訴えかけてくるので、その演奏者のドラマも音楽に結びついて観る者に迫ってくる。
「オーケストラ」という映画があった。
訳ありの楽団がクライマックスでチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏する。あれは感動の12分間だった。
最近の映画では、最後に10分近くのドラム演奏をみせた「セッション」がすごかった。

さて、グロリアはコルネットを少し吹けるという。
そしてロドリーゴのあの「アランフェス協奏曲」をみんなと演奏するのだが、見事なソロパートを披露する。
さあ、一緒に全英大会に出場して、予選を勝ち抜いてロンドンでの決勝大会に出るぞ。

しかし、しかしである。
彼らの現実の生活は、彼らからそんな音楽の楽しみを奪おうとするのだ。
炭鉱が閉鎖されれば、否応なしに楽団も解散なのだ。
しかも、みんなの仲間に加わったグロリアは、どうも炭鉱閉鎖を目論む政府の関係者として街に戻ってきたらしいのだ。
う~む・・・。

生活を押しつぶすような苛酷な状況、そんな中で唯一の希望であるような音楽。
たとえ一銭の稼ぎにも結びつかなくても、そんなことに勝る音楽の素晴らしさが描かれていた。

この映画を観る人は少ないと思うので、最後までストーリーを書いてしまうと・・・。

誰よりも楽団を愛していた老指揮者も病に倒れてしまう。
炭鉱は閉鎖が決まってしまう。
そんな中で彼らは決勝大会へ出場するのである。

そして演奏するのはロッシーニの「ウイリアム・テル序曲」。
題名は知らなくても曲を聞けばたいていの人は、ああ、あれか、というお馴染みのメロディ。
(われわれの世代にはTVドラマ「ローン・レンジャー」のテーマ音楽としてなじみ深かった。)
勇壮な音楽が高らかに演奏されて物語は大団円となっていく。

この映画は、実際に存在したグライムソープ・コリアリー・バンドの実話をヒントに作られたとのこと。
苦しかった人たちを音楽が救ってくれた面は、実際にあったのだろうな。