2016年 アメリカ 88分
監督:フェデ・アルバレス
出演:スティーブン・ラング、 ジェーン・レビ
サスペンス・スリラーもの。 ★★★
ケチな空き巣を繰り返している男女3人組。
そんな彼らが一獲千金を夢見て、大金を隠し持っているという一人暮らしの退役軍人の家に盗みに入ることにする。
なに、あの老人は目が見えないから楽勝だよ。周囲は空き家ばかりだし。
映画のほとんどの場面は一軒の屋内だけ。そして一晩の出来事。
いかにも低予算で作ったという感じの90分映画。
しかし評判になっただけのことはあって、実に緊迫感が続くサスペンス・スリラーものだった。
ところが、盲人はわずかな気配にも敏感なのだった。
おまけにこの老人、すさまじいまでに感覚を研ぎ澄ませて侵入者を撃退しようとする。
もちろん銃の扱いなどは元軍人なのでお手の物。戦闘スキルが並ではなかったのだ。
その迫力はすごいよ、侵入者の撃退どころか殺害までやってのけようというのだ。
もちろん盗みに入ったのだから若者たちに正義はない。盲目老人の方こそ被害者。
しかし、盲目老人の反撃の仕方、侵入者を追い詰める容赦なさが半端ではないので、観ている者は思わず若者たちに肩入れして観るようになってしまっている。
冒頭に若者3人のそれぞれの家庭事情などが上手く紹介されていたので、根っからの悪人じゃないことも判っているし。
この映画の怖さは、追い詰めてくるのが(あのジェイソンのような)狂人などではなくて、普通の盲目老人だというところ。
嘘! 本当にそこまでやるの? といった感じになっていくのだ。
そして、追ってきた老人のすぐそばで気づかれないように息を潜めている緊張感。
この絵柄がすごかった。
さらに、中盤では若者たちは地下室にある秘密が隠されていたことも知るのだ。
嘘! こんなことってあるの?
若者3人のうちの一番ワルっぽかったやつはあっけなく殺されてしまう。
その後に残された善良そうな男女二人が必死に逃げ延びようとする。
特に女の子の方はなかなか可愛くて、熱演していた。
最後、続編も作られていることは知っていたので、盲目老人はこういう結果になるのだろうなと思っていた。
これは「2」も観なくては。