あきりんの映画生活

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「天使の眼、野獣の街」 (2007年)

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2007年 香港 90分
監督:ヤウ・ナイホイ
出演:ケイト・ツイ、 サイモン・ヤム、 レオン・カーフェイ

女性刑事もの。 ★★☆

ジョニー・トゥが制作に加わっている刑事ものだが、銃撃戦の連続とか、男の美学とか、そういった路線ではない。
香港警察の監視班という比較的地味な警察の活躍を描いている。
主人公はここに配属された新人女性刑事ホー(ケイト・ツイ)、コードネームは”子豚”ちゃん。

ホーはベテラン刑事(サイモン・ヤム)とコンビを組み、銀行強盗団の捜査に当たる。
監視班というのは、とにかく観察力と記憶力が武器。
コードネームで呼ばれる監視班の面々が、指令に従って次々と持ち場を移動しながら街の中を監視していく。
派手さはないのに、これがすこぶる緊張感のある映像で見せてくれる。

映画は監視班の尾行、追跡と、銀行強盗団の動きを交互に映して進んでいく。
強盗団の中心人物が”影の男”(レオン・カーフェイ)。
彼の緻密な計画で強盗団は動いているのだが、手下のほんのちょっとしたミスで監視班はアジトをつきとめていく。
監視班は強盗団のマンションから出たゴミ袋を回収して計画を探ろうとしたりする。
感心したのは、回収したゴミ袋のダミーをちゃんとゴミ箱に戻しておくところ。なるほどなあ。

ホーは影の男を発見して追跡する。
逃走の途中で影の男は情け容赦なく警官を死傷させたりする。
血だらけの仲間を助けるのか、逃走する犯人を追いかけるのか、ホーの心はゆらぐ。

この作品は新人警官の成長物語ともなっている。
オープニングでホーがベテラン刑事の実施試験を受ける場面がある。
クライマックスでホーは影の男と同じ状況で対峙する。
面白い、見せてくれるなあ。
さすがにこの監督、ジョニートゥ作品の脚本を手がけてきただけのことはある。

(余計なひと言)
映画の最後、”子豚ちゃん”のその後の姿が映るのだが、すっかり成熟した女性風となっている。
それを観て思ったのは、美人はこの任務には向いていないということ。
あんなに美人ではすれ違った人みんなに(特に男性には)すぐに覚えられてしまう。
こっそりとした尾行なんか出来やしないぞ(笑)。

韓国では「監視者」というタイトルでリメイクされているそうです。
ヒロインのケイト・ツイは、元ミス香港だそうです。