あきりんの映画生活

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「幻影師アイゼンハイム」 (2006年)

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2006年 アメリカ 109分
監督:ニール・バーガー
出演:エドワード・ノートン、 ジェシカ・ピール、 ポール・ジアマッティ

身分違いの恋を絡めたサスペンスもの。 ★★☆

幼いころに身分の違いから恋を引き裂かれた主人公(エドワード・ノートン)。
彼は世界中を旅して天才奇術師アイゼンハイムとして戻ってくる。
彼の舞台公演は大人気となるのだが、ある日その公演を見に来た皇太子の婚約者は初恋の人ソフィ(ジェシカ・ピール)だった。

舞台は19世紀末のウィーン。
街並み、人々の衣装などから、いまからみればすべてがどこか胡散臭いような雰囲気がよく出ている。
手品と言うよりもイリュージョンを見せるアイゼンハイムを”幻影師”とした邦題は上手いと思う。

再会したアイゼンハイムとソフィは、ふたたび秘かに相手を求め合う。
しかし、絶大な権力を誇る皇太子は、警部(ポール・ジアマッティ)をつかってアイゼンハイムを逮捕させようとしたりする。
ついには激昂した皇太子にソフィは殺されてしまう。

さあ、この恨み、はらさでおくものか。
アイゼンハイムのイリュージョンを駆使した復讐がはじまるぞ・・・。

照明設備の乏しかった時代だから、画面は全体に暗い。
それがおどろおどろした雰囲気にも合っている。

それはいいのだが、問題点をひとつ。
映画でイリュージョンを扱うのは大変に難しいということはよく判る。
というのも、映画でどんなイリュージョンを見せられても、それは映像トリックなのだから見ている者は(映画の中の観客とは違って)少しも驚かないということがある。
だから、あまりにも物語受けするようなイリュージョンは、かえって映画としては興ざめしてしまうと思うのだが・・・。

物語自体は変化に富んでいて惹きつけてくれる。
悪役だったはずの警部も案外好い人だったりして、ジアマッティのぎょろ目も愛敬に見えてくる(笑)。

ということで悪くはなかったのだが、イリュージョンの映画的な扱いが完全にはフェアじゃないなあと思えるところもあって、そこが最後まですっきりしなかった(悲)。
あ、そうそう、エドワード・ノートンて、意外とハンサムなんだと、この映画であらためて思った(笑)。