監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ピアース・ブロスナン、 オルガ・キュリレンコ、 ルーク・ブレイシー
オーソドックスなスパイもの。 ★★☆
ピーター(ビアーズ・ブロスナン)は伝説の元CIAエージェントだったが、今はスイスで悠々自適の生活。
元恋人の危機を知らされたピーターは、彼女を助け出すべくモスクワへ行く。
しかし彼女は彼の目の前で殺されてしまった。おのれ、彼女を殺したのは誰だ?
こうしてピーターはふたたび政治の裏側の陰謀に関わっていく。
もちろん観ている人は誰だって、主人公に”ボンド、・・・ジェームズ・ボンド”を重ねあわせているだろう。
レジェンドというのだから、それなりにお歳も召している。
しかし、なかなかにスタイリッシュで動きもよろしい。CIAで(MI6ではないけれど)活躍した腕は鈍っちゃいないぜ。
途中から登場してくる陰謀の秘密を握るヒロインに、オルガ・キュリレンコ。
お、まったくのボンド・ガールではないか。
もう制作者の意図は見え見え。これで観客数を増やそうとしたのだろうなあ。
はいはい、私も増やされてしまった観客の1人ですよ(苦笑)。
物語は、ロシアの大統領候補が過去に起こした陰謀をめぐって展開する。
陰謀を明らかにしようとする者、それを阻止しようとする者。
すご腕女殺し屋も登場してくる。
(しかし、このすご腕女殺し屋は、あっさりとキュリレンコにやられてしまう。あれ、弱いじゃん 笑)
スピード感もあり、敵味方の騙し合いも繰り広げられる。
時代の波として、ジェイソン・ボーンやクレイグ・ボンドのシリアス・スパイ・アクションもの風となっている。
だから、かっての5代目ボンドの頃ほどお気楽ではない。
充分に楽しめる内容となっていた。
しかし、大きな破綻もなかった代わりに、しばらくしたら印象がぼやけてしまいそう。
大傑作というわけではありませんが、観て、お金を返せ!とは言わなくてすむレベルです。