あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「きっと、またあえる」 (2019年)

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2019年 インド 143分
監督:ニテーシュ・ティワーリ
出演:スシャント・シン・ジプート、 シュラッダー・カポール

青春熱血コメディ。 ★★☆

 

邦題が「ダンガル きっと、つよくなる」に似ているのは、同じ監督作だから。
そういえば、その前には「きっと、うまくいく」というヒット作もあった。
原題は「不真面目」といった意味らしい。

 

インドは日本以上に苛酷な受験戦争があるらしい(それを扱った「ヒンディ・ミディアム」というインド映画もある)。
大学入試に失敗し、自死未遂を起こしてしまった息子。
その父親アニが、息子を励まそうとして、自分の負け犬と言われた大学時代の話を始める。
その頃の仲間たちも病床に駆けつけてくれる。

 

という設定で、30年前の物語が始まる。
物語は単純明快で、馬鹿馬鹿しいことに熱意を傾け続ける青春の清々しさを描いている。
恋物語、そして学生寮対抗の競技試合。
そんななかでの友情物語である。

 

ボンベイ工科大学に入学したアニだったが、負け犬ばかりが集まるといわれるの4号学生寮に振り分けられる。
この4号寮の仲間たちは、あれにしか興味が無い通称”セクサ”や、アル中の”へべれけ”など、落ちこぼればかり。
でもみんな気の好い奴ばかり。
たわいのない馬鹿ごとをしては楽しい青春時代を送っている。

 

その工科大学の華がマヤだった。
競争相手が多すぎるから止めておけとみんなに言われたのにアタックして、いつのまにかアニとマヤは恋人同士に。おやおや。

 

マヤ役のシュラッダー・カポールは、しばらく前に観た「サーホー」のヒロインだった。
やはりきれい。今回は女学生と成熟人妻の両方を違和感なく演じている。
主役のスシャント・シン・ジプートは初めて見るイケメンだった。
いろいろと活躍していたようなのだが、なんと、今年6月に自死していた。えっ。

 

それはともかく、恋物語が上手くいったら、次は学生寮の対抗試合。
この対抗試合でいつも最下位の4号棟が今年は優勝を目指すぞ。
馬鹿にした他の学生寮の奴らを見かえしてやるんだ。さあ、一致団結して頑張るぞ。

 

インドの大学って、何ヶ月もかけてこんな寮対抗の競技会をやっているのか?
その間の授業はどうしているんだ?

 

そんな30年前の青春時代の馬鹿話を、アニの息子を励ますために集まった昔の仲間が話してくれる。
その学生時代と30年後の今を、同じ俳優が演じている。
アニとか、その後結婚したマヤとかは、どちらの時代もまったく違和感なし。
しかし、中には不自然に禿げ上がったカツラが滑稽な人も・・・。

 

さて、映画のクライマックスは、対抗戦の最後の3競技。
チェスやリレーバスケットボール。どれかひとつでも負けると優勝できない。さあ、どうなる?
ここでアル中だけれどもチェス名人の”へべれけ”が味のあるところを見せてくれる。

 

(少し文句を言いいたい)
アニたちは馬鹿ばっかりやっていたけれど、ちゃんと工科大に入学しているし、決して負け犬ではなかったのでは?

 

インド映画お約束のダンスがないなあと思っていたら、エンドクレジットが始まったととたんにみんなで踊り出してくれた。
可愛いヒロインもちゃんとコミカルに踊ってくれる。
しかも、学生時代の若いヒロインと、今の落ち着いたヒロインが、並んで踊ってくれる。うれしいなあ。

 

「ぼくの大切なともだち」 (2006年)

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2006年 フランス 96分
監督:パトリス・ルコント
出演:ダニエル・オートゥイユ、 ダニー・ブーン

ほのぼの苦笑いコメディ。 ★★★☆

 

先日観た「橋の上の娘」もよかった。次のルコント作品は、これ。

 

美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、自信に溢れた生き方をしてきた(と自分では思っていた)。
自分の誕生日を祝ってくれる夕食会の席で、彼は葬儀の参列者が7人しかいなかった話をする。
すると、夕食会の出席者の皆から、お前も友達がいないから葬式には誰も来ないよと言われてしまう。

 

そんなことはあるものか、自分には親友が沢山いるぞ、だいたい君たちだって友だちじゃないか。
すると、そこにいた全員が、自分はお前の友だちなんかじゃないよ、仕事上の付き合いだけだよ、と言うではないか。
何ということだ、よし、俺にも親友がいることを証明してみせるぞ。

 

人は、自分では思ってもいなかったような欠点を指摘されると、愕然とするもの。
プライドも傷つく。
そんなことはあるものか、とムキになる。
そうじゃないことを、なによりも自分自身が確かめたいわけだ。

 

フランソワは昔の同級生が親友だったはずだと会いに行く。
親友のあいつはきっと懐かしがって、俺を夕食に誘ってくれるはずだ。うん、きっとそうだ。
ところが、そのかっての同級生はつれない素振りなのだ。
おいおい、どうしたんだ。久しぶりで懐かしいだろ。夕食に誘ってくれないのか。
何か勘違いしてないか。お前はみんなに嫌われていたんだよ。

 

自分では気づいていなかったのだが、フランソワはジコチュウの生き方しかしてこなかったのだな。
なんということだ、俺は友だちの作り方も判らないぞ。

 

あたふたと途方に暮れるそんなフランソワを、身から出た錆だな、と思いながら観ている。
しかし、なんとなく我が身を振り返ってしまうような気持ちにもなってきて、いささかほろ苦い。
ルコント監督は、こうした少し捻れた人間感情を描くのが上手い。

 

そこで知り合ったのはおしゃべりで物知りなタクシー運転手のブリュノ。
誰にでも親切に話しかける。誰とでもすぐ打ち解ける。
フランソワはブリュノに、どうすれば友達が作れるのかの教えを請い、その練習もしてみる。
しかし、そんなに簡単にいくはずもない・・・。

 

続く展開としては、ああ、そうか、友だちはもうできていたんだ、ブリュノは友だちじゃないか、となる。
これだけなら余りにも安易な展開。そのへんの青春コミックと変わらない(汗)。
ここからがルコント監督らしい、ちょっと意地悪な展開となる。

 

よせばいいのに、フランソワはブリュノが親友であることを、あることをして証明しようとする。
おいおい、親友なんて、なにか実験をして確かめるようなものじゃないだろ。
案の定、そんな余計なことをしたばっかりに・・・。

 

最後、並のよかった、よかった的な展開ではないところが、さすがにルコント監督。
どことなくほろ苦い、それでいて人間味のある結末だった。

 

「パターソン」 (2016年)

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2016年 アメリカ 116分
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:アダム・ドライバー、 ゴルシフテ・ファラハニ

ゆるい、何も起こらない作品。 ★★★ 

 

この映画を観るに当たっては、とにかくジム・ジャームッシュ監督作品だということを知っておく必要がある。
でないと、なんだ、これ? 何も起こらん? となってしまう(笑)。

 

パターソンという町に住むパターソンという名前のバス運転手(アダム・ドライバー)の1週間をたんたんと描いている。
朝6時すぎに起き、路線バスの運転をする。
帰宅したら、妻が飼っているブルドッグと夜の散歩にでかけ、馴染みのバーでビールを飲む。
それがパターソンのくり返される毎日。

 

そんな日常にパターソンは満足して生活しているようだ。
いつも小さな手帖を持ち歩いていて、わずかな時間を見つけては詩を書きとめている。
妻以外には誰もその存在を知らない詩を、パターソンは毎日書きとめている。

 

と書くと、退屈してしまう映画ではないかと思うところだが、そこがジャームッシュなのである。
以前に彼の映画の感想として、ぬるま湯に入っているような映画だ、と書いた。
入っているときは何か物足りないような気がするのだが、湯から出ると寒いのでいつまでもうだうだと湯に浸かっている、次第にそれが満ち足りたひとときのようにも思えてくる。
まあ、そんな感じなのだ。

 

くり返される日常だが、わずかな違いはある。
会社の配車係の男が、毎朝少しずつ異なる些細な愚痴をこぼす。
バーでは破局した女につきまとう男もいて、ある夜には騒ぎを起こしたりもする。
仕事の帰りに詩を書いている少女に出会ったりもする。

 

パターソンは小さなマッチ箱にこだわっていて、あちこちで双子があらわれたりもする。
目覚めた奥さんが、双子を産んだ夢を見たの、と語ったことが情景として画面に出てきているわけだ。

 

そんな風に、うわべは同じように見えていても、毎日は少しずつ違うことが起きる日が積み重ねられていくのだ。
パターソンの書く詩はナレーションで聞こえてくる。
彼はそんな毎日の中に詩を感じて、それを秘密のノートに書きとめているわけだ。

 

私たちの毎日もそんなものだと、ジャームッシュ監督が言っていると捉えることも可能であるだろう。
しかし、そんな理屈をつける必要はなく、この映画は観たい。
ただ、のんびりとぬるま湯に浸かっているように、2時間足らずの時を過ごしたい。

 

「キャプテン・フィリップス」 (2013年)

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2013年 アメリカ 134分
監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクス

実録サスペンス。 ★★★☆

 

2009年。ソマリア沖でアメリカのコンテナ船が海賊に襲撃される。
銃で武装した4人がコンテナ船に乗り込んできて、船は完全に乗っ取られてしまう。
乗組員はどうなる? 船長はどんな行動を取った?

 

そんな事件に巻き込まれた実在のある人物に焦点を当てての人間ドラマ。
この描き方は、そうだ、クリント・イーストウッド監督作のようだ。
グリーングラス監督もこういう撮り方をしても上手いんだなあ。

 

始めの方で、ソマリアの海賊の生活が映し出される。
彼らを単なる海賊というものにせずに、彼らも生活に追われている人間なのだと言うことを描いていて、物語に深みが増していた。
海賊は海賊で、生きるのに必死なのだ。

 

海賊は小さな船でコンテナ船を追ってくる。
武装もしていないコンテナ船が迫ってきた海賊にどんな対処をするのかと思っていたら、船の周り中への放水だった。
小船を近付けさせないようにするわけか。なるほどなあ。
しかし海賊の方も大型船に乗り込む術はちゃんと準備しているわけだ。なるほどなあ。
このあたり、両者のリアルな攻防が必死で見応えがあった。

 

しかし、ついに海賊4人がコンテナ船に乗り込んでくる。
船長のフィリップ(トム・ハンクス)は、あらかじめ数人のクルーを残して乗組員を機関室に隠れるように指示していた。
海賊たちはフィリップに銃を突きつけ、金を要求する。
金庫にあるだけの金をやるから、それを取ってここから立ち去ってくれ。
冗談じゃない、こんなはした金で満足できるか。会社から大金を届けさせろ。お前たちが人質だ。

 

命の危険にさらされながら、海賊と必死に交渉するフィリップ。
演じているのがトム・ハンクスなので安定感はいうことなし。
そういえば、イーストウッド監督の「ハドソン川の奇跡」を思い浮かべてしまった。
あちらも全責任を負う貴重の役だったな。

 

物語はこのあと、単身で人質となったフィリップの救出作戦となる。
フィリップは海賊たちと共に小さな救命艇に乗っているのだが、それをアメリカ海軍のネイビー・シールズが取り囲むのだ。

 

アメリカとしては、フィリップが殺されてしまうようなことはなんとしても避けなければならない。
一方の海賊としては、フィリップを盾にして交渉しているわけだが、もし本当にフィリップを殺してしまえば自分たちの命がないこともよく判っている。
どちらがどのように、自分側に有利な譲歩を引き出せるか。
そもそも感情的にもなっている海賊たちに、説得の理屈がとおるのか?

 

フィリップのいつ殺されるか判らない不安、アメリカ軍の絶対に失敗が許されない実行指令、海賊たちの半ば捨て鉢な焦り・・・。
最後まで見応えのある緊張感が続いた。

 

あんな経験をしたら二度と船になんか乗りたくないと思ってしまいそう。
しかし、実在のフィリップは、その後も船長を続けたとのこと。
すごいな。
 

「エル・シド」(1961年)

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1961年 アメリカ 184分
監督:アンソニー・マン
出演:チャールトン・ヘストン、 ソフィア・ローレン

スペインの救国の英雄。 ★★★

 

紀元1080年前後の史実を参考にしているとのこと。
CGのなかった1960年代なので、すべてのシーンが実際のもので撮られている。
とにかく戦争場面の圧倒的な人海戦術には圧倒される。
この時代の史実映画というと「クレオパトラ」なども思い浮かべるが、こんな撮り方の映画はもう作れないだろうな。

 

スペインの武将であるロドリゴチャールトン・ヘストン)は、戦闘で捕らえたムーア人の王を釈放する。
ムーア人の王はこの恩は忘れないと、ロドリゴエル・シドの称号を贈る。
しかし、敵を勝手に赦したということでロドリゴスペイン王などから非難を受ける。

 

これがすべての始まり。
そうなのだ、ロドリゴは人の命を大切にして自分の信念を絶対に曲げない人物なのだ。
対峙する相手が、愛する女性の父親だろうが国王だろうがお構いなし。
どんなに自分が不利な立場に立たされようが、信念を貫き通すのだ。
お前は半沢直樹か(笑)。

 

そのエル・シドを愛し続ける妻シメンにソフィア・ローレン
大きな目、大きな口、まあ、華がある。彼女が出ていると映画が引き立つ。
実はロドリゴはシメンの父を決闘で殺している。
父の仇であるロドリゴを憎みながらも愛している。このあたりは物語の陰翳を深めていた。

 

そのうちにロドリゴは王位継承争いにも巻き込まれていく。
兄を謀殺して王位に就いたアルフォンソは、その秘密を知るロドリゴを追放する。
あとを追ってきたシメンと共に、これからは二人だけでひっそりと暮らそうとするのだが・・・。

 

しかし、英雄にはそんなことは許されないのである。
彼の回りにはあっという間に兵士が集まってくるのである。
ロドリゴエル・シドとなって一大軍勢を率いることになるのである。
う~ん、英雄は回りが放ってはおかないのだな。

 

ついにイスラムの王ユサフはスペインに侵攻してくる。
アルフォンソ王はエル・シドを自分の配下に置こうとして、シメンと愛娘2人を(いつのまにか二人の間には双子も生まれて可愛く育っていたのだよ 笑)人質として幽閉してしまう。
しかしエル・シドはそれでも屈しない。私はスペイン人民のために戦うのだっ!

 

バレンシアの城を手にしたエル・シドは、その地の王になってくれと懇願する人々がいるにもかかわらず、その王位をアルフォンソ王に渡す。
なに、エル・シドが儂に王位をくれるというのか。家族を人質に取った儂にか。
そうなのだ、エル・シドは歯がゆいくらいにどこまでも信義も大切にする男だったのだ。
やられたらやり返す、倍返しだっ!とは叫ばないのである(汗)。

 

バレンシアを攻めてきたユサフとの戦い。
その戦闘でエル・シドは敵の矢を受け、その夜ついに死んでしまう。
翌朝、死してなお馬にまたがり敵に向かっていくエル・シドの姿にユサフ軍は総崩れとなっていく。
あれはすでに亡くなった彼の魂が馬を走らせていたのだろうな。

 

3時間越えの大作。
しかし脚本はやや破綻を来している部分もある。
あれ、いつの間にこんな状況に変わったのだ? いったい何年間をとばしたのだ? という場面もあった(汗)。

 

ということで、同じチャールトン・ヘストン主演の「十戒」や「ベン・ハー」と比べると少し見劣りがします。
でも、もう二度とは作れない種類の、一度は観ておいてよい大作映画です。

 

「グラン・ブルー」 (1988年)

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1988年 フランス 168分
監督:リュック・ベッソン
出演;ジャン・マルク・バール、 ジャン・レノ、 ロザンナ・アークエット

素潜りに魅せられた男たち。 ★★☆

 

1980年代、素潜りの世界に魅せられた2人の男の物語。
一人は素潜りの世界チャンピオンであるイタリア人・エンゾ(ジャン・レノ)。そしてもう一人が彼の幼なじみのフランス人・ジャック(ジャン・マルク・バール)。
二人はシチリア島で開催される素潜りの競技会で再会する。
そしてジャックを追ってジョアンナ(ローザンナ・アークエット)もやってくる。

 

とにかくこの映画は、深い海の底へどこまでも潜っていく魅力を伝える映画。
素潜りの競技があんな風におこなわれるとは知らなかったが、一歩間違えれば死んでしまうよなあ。
(それに、潜水病にはならないものだろうか・・・?)

 

ジャン・レノが演じたエンゾは存在感があった。
豪放で自信家。しかしジャックの素潜りの才能を誰よりも認めている。
そしてジャックと競い合うことに喜びを感じている。好い奴だ。

 

かたや主人公のジャック。彼のモデルになったジャック・マイヨールの名前は私も聞いたことがあった。
彼はは素潜りに関しては天性の才能を持っていたのだろう。
しかし、その性格は少し常人とはずれているような印象だった。どこか世事には無頓着というか、疎いというか・・・。
それだけ素潜りに関して純粋とも言えるわけだが。

 

映画後半でまさかエンゾが死んでしまうとは思っていなかった。
実際のモデルになった実在のエンゾ・マイオルカは死んでいないとのことだった。
(というか、解説によれば、物語はほぼフィクションであり、ジョアンナという女性も実在はしていないとのこと。)

 

それはさておき。
映画のそのエンゾの死の場面ではツッコみたくなることもあった。
だいたいが、家族に死に顔も見せずに海底へ沈めてしまうなんて、いくら本人が望んだこととはいえ、すぐしてしまう?
常識的には少し時間をおいてからにするだろ。
それに、心肺停止にまでなったジャックは必死に蘇生したのに、意識も呼吸も残っていたエンゾを何故救急処置をしなかった? おかしいぞ。

 

ま、それもさておき。
海に魅せられた純粋な男たちの物語だった。
この映画には3つのバージョンがあるが、観たのは一番長い「完全レストア版」で3時間近い長尺。長かった!

 

これがリュック・ベッソンの実質上の最初の映画といえる。
この映画の成功を受けて、彼はこのあと「ニキータ」、「レオン」と撮るわけだ。

 

「アメリカ上陸作戦」 (1966年)

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1966年 アメリカ 125分
監督:ノーマン・ジェイソン
出演:カール・ライナー、 エバ・マリー・セイント、 アラン・アーキン

シニカル題材の軽いドタバタ・コメディ。 ★★☆

 

米ソの冷戦で緊張が続く時代。
アメリカ北東部の小さな島の沖で、あろうことか、ソ連の潜水艦が座礁してしまう。
これは困ったぞ。潜水艦をひっはり出すためのボートを何処かから調達してこよう。
こうしてソ連の水兵たち9人が艦長命令で島に上陸する。

 

ボートを入手したいだけのソ連兵なのだが、それを見た島の人たちは大騒ぎをする。
噂が噂を呼び、ソ連が攻めてきたっ!
挙げ句の果てに、やれ、パラシュート部隊が降り立っただの、やれ、飛行場が占領されただの、噂は大きくなるばかり。
まるで宇宙人が侵略してきたかのよう。

 

原題は「ロシア人がやって来るぞ!」。
どこか皮肉っぽい調子でソ連兵と村人たちの繰り広げるドタバタ劇を描く。
本当はどちらも善良な人同士なのだが、世界情勢の不安定さが疑心暗鬼を呼んでいるわけだ。

 

岬の別荘に避暑に来ていた作家を演じていたのは、カール・ライナーという映画監督さん。役者としてもよく出ているらしい。
ちなみに、息子はあのロブ・ライナー監督。

 

その奥さんがきれいな女優さんだなと思って観ていたのだが、 エバ・マリー・セイントだった。
ヒッチコックの「北北西に進路をとれ」に出ていた美女さんだった。
きれいなはずだ。あんな美女と寝台列車で旅をしてみたいもの(汗)。

 

上陸したロシア潜水艦の副長にアラン・アーキン
英語にも堪能で、良識派という役どころ。映画の流れを引き締めている。
ヘップバーンの「暗くなるまで待って」では怖ろしい犯人役を演じていたし、愉快な「リトル・ミス・サンシャイン」ではぶっ飛んだエロ爺さんを演じていた。
何でも演じてしまう。確かな演技派の人だな。

 

さて、映画の方は・・・。
本当は友好的なソ連兵のはずなのに、村人のなかに超タカ派の退役軍人がいて、村人をあおりまくる。
ソ連をやっつけろ、儂が指揮を執るぞ。
こういう人がいるから話が(愉快に?)ややこしくなるんだよな。

 

作家の家の見張りに残された若いソ連兵がかなりのイケメン。
周りのばたばた劇をよそに、留守番にきていた女の子とごくごく自然に恋に落ちてしまう。
こういったところが憎めない物語の展開だった。

 

あわやという緊張状態にもなるのだが、基本的にはソ連兵も村人も善人同士。
めでたく物語は解決していく。
ソ連潜水艦を攻撃するためにアメリカ空軍の戦闘機がやってきたりもするのだが、それも村人の漁船が守ってくれる。
暖かいエンディングで、よかった、よかった。

 

不穏な世界情勢の中でも、本当は人々は善良なのだというメッセージを感じます。
軽い気持ちで楽しめる映画です。