あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「サイボーグⅡ」 (1993年) これがアンジーの初映画

1993年 アメリカ 99分 
監督:マイケル・シュローダー
出演:アンジェリーナ・ジョリー

サイボーグの逃避行。 ★★☆

 

これがアンジェリーナ・ジョリーの初出演映画(細かいことを言えば、父ジョン・ボイドの映画に幼い頃に子役で1回出ているらしいのだが)。
この映画のときアンジーは17歳。そして、なんと初々しい裸身も披露している(!)。

 

舞台は、高性能なサイボーグが兵士や売春婦にまでなっているという近未来。
サイボーグは喜怒哀楽の感情までも持っているという、もう見かけだけでは人間と見わけられないほどに進化したもの。
だから死に対する怖れもあるし、恋もするのだよ。

 

アンジー扮するするキャッシュ(アンジェリーナ・ジョリー)はそんなサイボーグの一体。
しかしそれは、自爆装置を取り付けられた暗殺用サイボーグなのだ。
しかもハニートラップ用で、標的との性交渉をおこなうことによって起爆装置が作動するのだ。
なんという設定! これ、B級映画丸出しの設定だなあ。

 

なんでもアンジーは自分がジョン・ヴォイドの娘であることを隠してオーディションを受けてこの役を獲得したとのこと。
この映画でアンジーは女優として認められるようになったとのこと。

 

さて。
キャッシュはやがて自律知能を獲得して、組織からの脱走を試みる。
協力してくれるのは、彼女に格闘技を鍛え込んだインストラクターのコルト。
さあ、こんなところからは一緒に逃げだそう!

 

17歳のアンジーは初々しいのだが、もうこのときからただ者ではない華のある美しさに満ちている。
目力、そして”たらこ唇”と言われるあの肉厚な唇のなんと魅力的なことか。
組織からの闘争に伴ってのマーシャルアーツ的な格闘や銃撃戦など、アクションもちゃんとこなしている。
これがのちの「トゥムレイダー」や「ウォンテッド」につながっていくのだろうな。

 

脱出に成功した二人だったが、キャッシュの体内に仕掛けられた起爆装置が作動してしまう。
イムリミットは9時間。はたして二人は追っ手から逃れ、起爆装置を解除することができるのか。

 

なんてもっともらしく書いたが、ストーリーはありふれたB級映画そのもの。
そして、そのとおりの映画。これといって傑出した部分はない。
ただ一点、初々しく華のあるアンジーが出ているということだけの映画だった。
もちろん、私はなんの文句も言いませんよ(笑)。

 

「コヴェナント」 (2023年) 俺が必ず助け出す、それが俺の誓いだ

2023年 123分 イギリス 
監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイク・ギレンホール、 ダール・サリム

アフガニスタン戦争もの。 ★★★☆

 

2018年当時、アメリカはタリバン壊滅のためにアフガニスタンに武力介入をおこなっていた。
主人公のキンドリー(ジェイク・ギレンホール)はタリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長
彼はアフガン人のアーメッド(ダール・サリム)を通訳として雇っていた。

 

この映画はアフガニスタン問題、そしてその最中に起こった兵士と現地人通訳の絆を描いている。
それは死と隣り合わせの状況の中での物語であった。
ガイ・リッチー監督は正攻法でまったく緩むことなく、この重い物語を描いていた。

 

キンドリーの部隊は突き止めたタリバンの武器弾薬貯蔵地を急襲するのだが、タリバンの猛烈な反攻にあう。
この戦闘場面は凄まじい。リアルに、戦闘というのはこんなにも怖ろしいものなのだということが伝わってくる。
そしてキンドリーとアーメッドの二人だけが辛うじて生き延びる。

 

しかしキンドリーは意識も定かではないような重傷状態だった。
その彼を、アーメッドはなんと基地まで連れて帰ろうとするのだ。

 

もちろんタリバンは必死になって二人を探し出そうとしている。見つかれば即殺される状況である。
そのなかで生死の境目にあるキンドリーを、あるときは背負い、あるときは手に入れたボロ車で、そして粗末な荷車で運ぶのだ。
整備された道を行けばすぐに見つかってしまう。だから道もない山を必死に越える。

 

アーメッドのこの逃避行は凄まじく困難なものであり、辛さを伴うもの。
重たそうな荷車ででこぼこの荒れ地を進む。
どうしてここまでしてキンドリーを助けようとするのだろうと訝しくなるほど。
しかしその甲斐あってキンドリーはなんとか生還できて、傷病兵としてアメリカに帰国するのだ。

 

帰国したキンドリーは退役軍人として平和な生活に戻ったのだ。
しかし、アメリカ軍通訳をすれば米国移住の書類がもらえるはずだったアーメッドはそのままアフガニスタンに置き去りにされてしまったのだ。

これは辛いぞ。

 

アーメッドはタリバンに厳しく追われることになる。
友人や身内の手助けを受けながら身を隠し、逃げのびる日々を送っていたのだ。
通訳として米軍に協力したアフガン人は、タリバンにとっては同胞を裏切った敵である。
米軍兵士以上に憎まれており、実際に、米軍通訳をしたアフガン人は多数殺されている。

 

一方のキンドリーもアフガニスタンでの記憶が心の平安を蝕んでいた。
アーメッドがアフガニスタンに取り残されていることを知ったキンドリーは、アーメッドを探し、保護するために再びアフガニスタンへ向かう。
キンドリーはアーメッドに対して恩義と共にある種の後ろめたさのようなものを感じていたのではないだろうか。

 

映画の後半はキンドリーとアーメッドの再会、そして決死の脱出劇。
この部分も緊張感にあふれる見事なものだった。

 

この映画の副題は「約束の救出」。
映画の最後には”コヴェナント”の意味が映された。いわく、契約、誓い、約束。
その通りに熱い友情と信頼を、いささかのぶれもなく骨太に描いていた。
ガイ・リッチー監督が大きく飛躍した作品だと思えた。

 

「ワイルド・ロード」 (2022年) 撃たれてしまった、よし、長距離バスで逃げよう・・・

2022年 97分 アメリカ 
監督:アンドリュー・ベアード
出演:コルソン・ベイカー、 ケビン・ベーコン

逃避行サスペンス。 ★★☆

 

組織の金と麻薬を盗んだフレディ(コルソン・ベイカー)は、腹部に被弾しながらも長距離バスに乗り込む。
これまで駄目な父親だった、せめて娘リリーにこの金を渡したいぞ。
しかし、冷酷な組織の女ボスのヴィックが追手を差し向けてくるぞ。

 

という設定で、映画はほとんど全編がフレディの乗り込んだ長距離バス車内である。
瀕死のフレディはいろいろな人に電話をかけ逃げ延びる算段を考える。
さらに乗り合わせた乗客たちとの交流、駆け引き、騙し合いなどが描かれていく。

 

娘と一緒に別れていった元妻は看護師。
電話をした当初は、もう私たちにかまわないでっ!、とけんもほろろだったのだが、傷ついていることを伝えると手当てをしてあげると言ってくれる。
人目に付かないように病院の駐車場にきてちょうだい、何とかするわ。

 

実は妻を棄ててつきあっていたのが、今はフレディを怒り心頭で追ってくる女ボスのヴィックだったのだ。
フレディよ、身から出た錆だぜ。元奥さんにどの面下げて助けてもらうんだ。

 

こうしているあいだにもフレディの出血は続き、意識は時にもうろうとしてくる。
前の席に座っている少女が携帯を貸してくれと接触してきたり、途中から乗り込んできたケースワーカーだという(怪しげな)男が話しかけてきたり。
(こんなに血を流してどう見てもまともじゃない状態の客がいるのに平然としているバスの運転手もどうかとは思うが・・・)

 

万策尽きたフレディは永年不仲だった父(ケビン・ベーコン)に助けを求める。
この父親がまたまたクソ親父。この父だったので、こんな息子になったのだな。
こんな父親の他に頼れる人はいないのかよ。なんという人生だ。

 

そして長距離バスは終点に着く。
そこにはヴィックに率いられた組織の一団が待ち構えていて・・・。

 

おそらく低予算で作られた、これぞB級映画!といった感じの作品だった。
主人公は見た目も生き方もチンピラの典型といった感じで、(良識人である私には)感情移入なんかこれっぽっちもできそうにない奴。

 

だからこの主人公、どうなるのだろうと冷静な目で観ていたのだが、脚本が好いせいか、意外に飽きさせない。
これ、期待低めで観始めたせいもあって、なかなかに面白かった。
観てよかったなあ、とまでは言いませんが、時間の無駄ではありませんでした。

 

 

 

「アパートの鍵貸します」 (1960年) アメリカにラブホはないんだ・・・!

1960年 アメリカ 125分 
監督:ビリー・ワイルダー
出演:ジャック・レモン、 シャーリー・マクレーン

人情コメディ。 ★★★☆

 

ビリー・ワイルダージャック・レモンシャーリー・マクレーンと組んだ傑作人情映画。
彼は同じ顔合わせで、これも傑作の「あなただけ今晩わ」を3年後に撮っている。

 

有名な作品なのであらすじは大方の人は知っていると思う。
上司へのゴマスリのために、重役たちの浮気密会場所として自分のアパートを提供している独身もののバクスタージャック・レモン)が主人公。
しかし、彼が秘かに思いを寄せていたエレベーターガールのフラン(シャーリー・マクレーン)が部長の愛人と知り、愕然とするといったもの。

 

そのあたりの見せ方が上手い。
観客はフランが部長の愛人であることを画面から知らされているわけだが、それではバクスターがどういうことからそれを知るのだろう、と興味津々で展開を観ることになる。
いささかコメディタッチの騒動を交えたりして展開にも緩急を付けている。

 

小道具の使い方も上手い。
フランが持っていたコンパクトの鏡の割れ目や、茹でたパスタの湯切りに使うテニスラケット、バクスターの部屋の鍵とお偉いさん専用食堂の鍵、など。
それに、最後に銃声と思わせるシャンパンのコルク抜きの音も、やるねえ。

 

ジャック・レモン演じるバクスターは善人なのだが、出世のためには情けない役割を引き受けることもいとわないといった俗物性も持っている。
そのあたりが等身大の人物造形になっていた。

 

ショート・カットのマクレーンは可愛い。この映画の時は25歳ぐらい。
先日観た「あの日の指輪を待つきみへ」の時は75歳ぐらい。こちらの映画では少し醒めたような役柄だったが、どこか可愛らしさは残っていた。

 

他の登場人物達も好い感じである。
バクスターの部屋を密会場所として利用している5人のお偉いさん達も、(この時代だからか)不倫にそれほどの罪悪感はなさそう。
それにバクスターの隣の部屋の医師夫妻が好いアクセントになっていた。

 

言ってみれば上役の愛人との恋物語ということになるのだが、重いところはなく、全体は洒落た雰囲気となっている。
妻と離婚してフランと本気で結婚しようとした部長は、結局一人ぼっちになってしまった。ちょっとかわいそうだけれど、身から出たさび?

 

ワイルダーはこの作品でアカデミー監督賞を獲っています。

 

「あの日の指輪を待つきみへ」 (2007年) お前、わがまま過ぎるのではないかい?

2007年 アメリカ 
監督:リチャード・アッテンボロー
出演:シャーリー・マクレーン、 クリストファー・プラマー、 ミーシャ・バートン

運命に流される恋愛物語。  ★★☆

 

描かれるのは、第二次世界大戦がはじまる1941年と、50年後の1991年。
二つの時代を行き来しながら物語が進む。
ひとりの(頑なな)女性と、彼女をそれぞれに愛した3人の(純情な)男性たちの物語。

 

冒頭は1991年の葬儀場面。
エセル(シャーリー・マクレーン)の長年連れ添った夫チャックの葬儀だったのだが、何故か彼女は醒めた雰囲気だったのだ。
夫婦の長年の親友だったジャック(クリストファー・ファーマー)が慰めるのだが、やはりエセルは素っ気ない。
どうして?

 

そんなエセルのもとに、アイルランドに住む青年からの電話が入る。
親切な青年は、ベルファストの丘で彼女の名が刻まれた指輪を見つけましたよ、と告げる。
はて、その指輪は・・・?
何も語ろうとしないエセル。そこで娘マリーはジャックに尋ねるのだが、彼もまた何も語ろうとはしなかった。

 

時代は50年前の1941年にさかのぼる。
若く美しいエセル(ミーシャ・バートン)は3人の青年、チャック、ジャック、テディと青春を謳歌していた。
3人はそれぞれにエセルに恋をしていたのだが、彼女はテディと将来を約したのだ。そんな二人を祝福するチャックとジャック。

 

この若い頃のエセルを演じるミーシャ・バートンが本当に華やか。
調べてみると、子役として「ノッティングヒルの恋人」や「シックスセンス」に出ていたとのこと。
しかしこの映画に出た後はいろいろと問題を起こすお騒がせ女優でもあったようだ。
なんか残念だな。

 

さて。戦争が始まり、3人の青年はそれぞれに出征する。
そしてテディが搭乗していた爆撃機アイルランドで墜落し、彼は亡くなってしまう。エセルの名前を彫った指輪と共に・・・。
しかし戦地に赴く前にテディは、親友のジャックとチャックと一つの約束を交わしていたのだ。

 

巨匠と言われたアッテンボロー監督の遺作である。
50年の時をはさんで、一つの指輪にまつわる男女の運命を描いていた。
そこに爆撃機が墜落した現場に居合わせたアイルランドの青年の思いも絡んでくる。
そして1990年代始めのアイルランドでのIRA組織によるテロ行動も絡んでくる。

 

実はテディは、もし自分が戦死したらチャックにエセルと結婚してくれるように頼んでいたのだ。ジャックもそれに協力してくれ、と。
その約束を守ってエセルはチャックとの穏やかな結婚生活を送ってきたのだった。
しかしエセルは・・・。

 

シャーリー・マクレーンの、愛敬がある顔立ちなのにどこかで醒めてしまっている雰囲気がよく出ていた。
初老のクリストファー・プラマーはダンディおじさん。
ずっとエセルを慕いながら他の女性との遍歴をたどってきた。抑えた恋心が切ないぞ。

 

だから、こうして3人の男性の純粋な恋心に支えられたエセルの思いは、どこか自己チューでわがままなものに思えてしまった(汗)。
そりゃあ、最愛の人を失った彼女の悲しみも判るが、だからといって残された2人の男性に甘えすぎだったのではないかい。

 

この映画の前に観た「エイジ・オブ・イノセンス」の女性の恋心と、思わず比べてしまったぞ。

 

「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」 (1993年) 貴方を愛しているから諦めるの

1993年 アメリカ 
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ダニエル・デイ・ルイス、 ミシェル・ファイファー、 ウィノナ・ライダー

純愛悲恋もの。 ★★☆

 

19世紀末のニューヨークの社交界を舞台に、許されることのない恋に落ちた男女の物語。
タイトル通りにどこまでも禁欲的で、静かに恋心を溜めていく。
上品で格調が高い物語?

 

弁護士のニューランド(ダニエル・デイ・ルイス)は、メイ(ウィノナ・ライダー)との婚約を皆に披露して祝福されていた。
そんな折に、夫から逃れてヨーロッパから帰国してきたエレン・オレンスカ伯爵夫人(ミシェル・ファイファー)があらわれる。
エレンはニューランドの幼なじみだったが、その自由な考え方にニューランドは惹かれていく。
しかし、彼には一途に愛してくれているメイ(メイとエレンも親戚同士)がいるぞ。どうなる?

 

ニューランド役のダニエル・デイ・ルイスはいかにも上品で貴族然とした雰囲気を醸し出していた。
お相手のミシェル・ファイファーは少し険のある美女。
どこか思い詰めたような怖さを感じさせる。触れると火傷しそうな、そんな美女。
一方のウィノナ・ライダーは、いかにも上流階級の中で生きてきた無垢の女性の雰囲気。
しかし、実は夫の秘めた恋心にも気づき、それを巧みに制御していくのだ。
この3人の恋心が絡み合う。

 

さて、アメリカへ戻ってきたエレンは伯爵との離婚を望んでいたのだが、外聞をはばかり醜聞を嫌う一族がそれを阻止する。
夫を持つエレン、結婚したばかりのニューランド。互いに惹かれ合いながらも二人は見つめ合うことしかできないのだ。

 

あの時代のアメリカの社交界がこんな雰囲気とは知らなかった。
豪華な衣装、きらびやかな装飾と調度品の屋敷。そこに集う上流階級の人たち。
サロンといい、夕食会といい、まるでヨーロッパのよう。
この時代に別の荒野では西部劇がくり広げられていたとは信じられないぐらい。

 

ニューランドの母親役でジェラルディン・チャップリンが出ていた。
ドクトル・ジバゴ」で初々しい役をやってから30年近くが経って、さすがに初老の雰囲気となっていたが、やはりきれいだった。
音楽はバーンスタイン。こういった格調高い映画には適役なのだろう。

 

ニューランドはメイと結婚する。表面上はおだやかで満ち足りた生活が続いていく。
エレンもニューランドを避けるようにニューヨークからボストンへ転居していく。
しかし、それでもニューランドはエレンへの思いを棄てきれない。そして、夫となったニューランドが今もエレンを求めていることをメイは知っていたのだ。

 

結ばれることのないニューランドとエレンも辛いが、夫を愛しているメイも辛い。
そしてメイは自分の妊娠を夫よりも先にエレンに告げる。
それを聞いたエレンはすべての思いを断ち切ってヨーロッパへ帰国していく。
それからニューランドとエレンが会うことはなかったのだ・・・。

 

(以下、最後の場面のネタバレ)

 

30年の月日が流れる。ニューランドとのあいだに子どもを残してメイは亡くなっていく。
初老となったニューランドに、息子がエレン叔母さんの居所が判ったと告げる。
エレンの家を訪ねるニューランド。
一度は玄関への石段を上がり始めたニューランドだったが、途中で踵を返して去って行く・・・。

 

メイは必死に自分の幸せを守り通したわけだ。
そしてそのメイが亡くなったときには、ニューランドには取り戻せない過去だけが残っていたのだ。
精神的な不倫物語とでもいった、静かな悲恋物語だった。

 

「ワイルド・スピード MEGA MAX」 (2011年) 禿げマッチョ対決、そして禿げマッチョ共闘 

2011年 アメリカ 130分 
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル、 ポール・ウォーカー、 ドウェイン・ジョンソン、 ガル・ガドット

シリーズ第5弾。 ★★★

 

この”ワイ・スピ”シリーズ、当初は、どうせ車好きの暴走ものだろうとたかをくくっていた。
ところがふとした時に第7作の「スカイ・アクション」を観たところ、その面白さに感嘆した。
馬鹿にしていた、ごめんなさい。
そこであらためてこのシリーズを見直したのだった。

 

このシリーズが大化けして面白くなったのは第4作の「MAX」からだろうと思っている。
今作は第5作で、舞台はリオ・デ・ジャネイロ
ガル・ガドットが扮するジゼルは前作から登場していたが、ドウェイ・ジョンソン扮するホブス捜査官は今作から登場する。
ヴィン・ディーゼルとの禿げマッチョ対決だぜ。

 

今やお尋ね者になっているドミニク(ヴィン・ディーゼル)や彼の妹ミア、ミアの恋人ブライアン(ポール・ウォーカー)はリオに逃げてくる。
そこでまずは金を稼ごうと、列車で輸送中の超高級車を盗もうとする。
へぇ、こんな風にして車を盗んでしまうんだ! なるほどなあ。
この場面からして息を呑むような豪快さである。

 

そんなドミニクたちを捕らえようと、アメリカからホブス捜査官(ドゥエイン・ジョンソン)が乗りこんでくる。
完全武装で装甲車を仕立てて、ドミニクたちが潜んでいるスラム街へ乗りこんでくるぞ。
もうこのホブスさえいれば世の悪人は全員退治できるんじゃね、というぐらいの強面である。

 

ヴィン・ディーゼルとドゥエイン・ジョンソンとくれば、スキン・ヘッドの筋肉○鹿の代名詞のような二人。
当然のことながら、二人の腕っ節争いの見せ場もある。
(このシリーズ、あとになるとこの二人に加えて、もう一人の禿げマッチョのジェイソン・ステイサムも加わってくる 嬉)

 

さて本番は、リオの街を牛耳っている悪役ボスとの対決。
なにしろ1億ドルもの大金を、グルになっている警察署の金庫に隠しているような超悪者。
ドミニクたちはその大金を盗網とするのだ。どうやる?

 

もちろんこのシリーズなので、おそらくはカー・マニアが見たらよだれが出そうな車がジャンジャン登場する。
盗んだ4台のパトカーでの街中04レースをファミリーでおこなう場面もちゃんとある。
派手でお金もかけているのだけれども、出演者からしてどこまでもB級映画に徹している(これ、褒め言葉です 汗)。

 

クライマックスは、2台の車で重い大型金庫を引っ張ってのカー・チェイス
これはすごい。
道をカーブする度に振り子のように左右にぶれる大型金庫が追跡車をはね飛ばすわ、はね飛ばすわ(笑)。
どんだけリオの一般市民に迷惑をかけているんだ?(苦笑)

 

2時間越えの結構長い作品なのだが、あれよあれよと楽しめる。
ドミニクとホブスも互いを認め合っていくしね。

 

無事に大金を手にしたファミリーのその後の姿には、つい嬉しくなってしまう。
ファミリーのジゼルとハンも睦まじくなったのだが、やがて二人には6作以後に哀しい出来事が待っているのだよね。

 

あのミシェル・ロドリゲス姐さんが扮するドミニクの恋人レティは前作で亡くなっている。
登場しないのは寂しいなあと思っていたら、エンドクレジット後に顔写真が写る。
おお、これは!
ということで、次の第6作「ユーロ・ミッション」につながっていくのだね。