2008年 アメリカ 110分
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、 アンジェリーナ・ジョリー、 モーガン・フリーマン
コミックが原作のSFアクションもの。 ★★★★
平凡な青年ウェスリー(J・マカヴォイ)の前にある日、謎の美女フォックス(A・ジョリー)が現われ、その直後から何もわからぬままに激しい銃撃戦に巻き込まれてしまう。
やがて、フォックスが案内したある集団は、神話の時代から神の宣託によって悪人を殺す秘密組織であった。
死んだウェスリーの父はその組織の一員だったのだ。
主役のJ・マカヴォイはもう一つぱっとしなかったが、彼を暗殺者へと教育するアンジェリーナ・ジョリーの迫力は凄い。
冒頭のスーパーでの銃撃戦が始まろうとしたときの、両目をつり上げた恐ろしい形相はゾクゾクするほどに素晴らしかった。
「トゥムレーダー」でもそうだったが、これは般若の美しさに通じるものがある。
冒頭近くのカー・チェイスや、走る電車の屋根の上での場面など、CG技術は迫力があったし、鉄橋から落ちかけた列車での戦いも申し分なかった。
ということで、アクションものとしての画面は満足できるもの。
あとはストーリー展開だが、これも飽きさせない。
この世界の設定として、意志の力で弾道を曲げることができるのだが、この技術が最後のクライマックスで非常に大きく生きてくる。
これには感心した。
アンジェリーナ・ジョリーがくだした決断に、思わず涙ぐんでしまうほど。
(以下に、完全ネタバレ)
しかし、敵対していたのが実は死んだと教えられていたお父さんだったとは。
しかも善悪が全く逆だったとは。
完全にやられた。
神の意志を行うのだとするモーガン・フリーマンの存在感は、憎々しげまでもがいつもながらに安定している。
ある意味、A・ジョリーが主役の映画です。
なにが残る映画というわけではありませんが、カタルシスは得られます。