1968年 フランス 107分
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャンヌ・モロー、 ジャン・クロード・ブリアリ、 ミシェル・ブーケ
謎の女性の復讐劇。 ★★★
原作はウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)。
結婚式を終えたばかりの教会玄関で新郎を射殺されてしまった新婦が、事件に関わった5人の男たちを捜し当てて次々と復讐を果たしていく。
主役のジャンヌ・モローは、冷酷な表情で男たちを見つめ、冷静に計画を実行していく。
彼女の厚い唇が堅固な意志をあらわしているよう。
それぞれの殺人方法は、転落死、毒殺、窒息死などで、それほどひねったものではない。
復讐の方法を見せているというよりも、それを実行するモローの暗い怨念を見せる、というのが主眼になっている。
トリューファーならではの画面はとても美しく、雰囲気のあるサスペンス映画としては十分に良いのです。
それなのに、この映画にそれほどの得点を付けなかったのは、ジャンヌ・モローがあまりにも中年になっており(このとき40歳)、肩がやけに太って見えたため。
復讐される男たちも、近づいてくる謎の女性の魅力に負けて気を許して殺される、というパターンなのだが、それほどモローが魅力的かなという疑問が湧いてしまった。
ただ、このあたりはたぶんに個人的な好みの問題ではあります。
安心してみていられる佳作です。
しかし、もう5歳若いジャンヌ・モローで撮って欲しかったというのが偽らざるところ。