1999年 アメリカ
監督:ジョージ・ルーカス
出演:リーアム・ニーソン、 ユアン・マクレガー、 ナタリー・ポートマン
★★★★
クラシック3部作の30年前が舞台となっていて、後にダース・ベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーの少年時代が描かれる。
オープニングでジョン・ウイリアムズの曲が流れ、宇宙空間に説明文字が流れていくあの画面が出てきただけで、ああ、スターウォーズの世界だ、と思ってしまう。
そして、なによりもCGを巧みに用いた画面は迫力があり、美しい。クラシック3部作と比較すると、すさまじい映画技術の進歩だと感心してしまう。
CGの多用を批判するファンもいるようだが、SFであるからには現実にはないものに想像力を広げなくてはならないわけで、セットか、ミニチュアか、CGを用いることになる。それならば広がった想像力を可能な限り表現できる手段を選べばよいのではないか、と考える。
オビ=ワンたちがアナキン少年と出会う砂の惑星タトゥイーンは、エピソ-ド4以後の主人公となるルークも住んでいた星。クラシック3部作を観てきた者には懐かしいと思わせる風景だ。
ここで行われるポッド・レースが迫力があり、嬉しくなる。かってコンピューターゲームで熱中したレースものの原型である。
機甲兵団との戦い、宇宙戦と展開も早く、迫力が途切れることがないし、いつものことながら、ドロイドや奇妙な宇宙人の造型にも感心する。
しかし、あのジャージャーだけはいただけなかった。いくら狂言回しにしても鼻につきすぎる。(よせばいいのにエピソード2でも出て来るんだよなあ、ジャージャーの奴。)
お約束の、2人のジェダイの騎士とダース・モールとのライト・セイバーによる戦い。このSFの世界で剣による戦いという絵を造りあげた感覚は、やはりたいしたものだと思う。
(ジェダイという言葉自体が、日本語の時代劇の「時代」からとったという説もある。)
それにしても、こんなに愛くるしいアナキンがやがてダース・ベイダーになってしまうとは。
彼のその後を知らされているだけに、今作での無邪気さ、ひたむきさが印象的だ。
同じスターウォーズといえども制作年月の差は大きく、クラシック3部作とは明らかに異なるテイストがいたるところにある。
かっての3部作の雰囲気が希薄になった部分を惜しむ気持ちもあるのだが、新しい感触を時代が要求したのだろうと思えば、決して悪くはない。
やはりこのシリーズは、難しい理屈抜きのスペースSFものの映画としては最高傑作のひとつでしょう。