「ロード・オブ・ザ・リング」
2001年 アメリカ 178分
監督:ピ-ター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、 イアン・マッケラン、 オーランド・ブルーム
リブ・タイラー、 ケイト・ブランシェット
「指輪物語」三部作の第1作。 ★★★
あまりにも有名なこの映画。
作品の主人公であるホビットをはじめとして、魔法使い、エルフ、ドワーフ、オーク、そして人間と、ロール・プレイング・ゲームではおなじみの様々な種族が登場する。
私は、まだ画像が粗い時代のコンピューター・ゲームの「ウィザドリー」や「ウルティマ」をしていたので、このあたりはなじみが深い。
ただ、そのあたりが始めはかえって足をすくったりもした。
実は、この第1部は以前に一度観ている。
そのときは上手くこの世界に入り込めなくて距離を感じてしまっていた。で、長くその続きも観ることがなく、放置していた。
何が合わなかったのかというと、自分が勝手に創造していたファンタジー世界と、映画で映像的に具現化された世界にギャップがあったため。
で、今回はとにかく自分が勝手に創り上げていたファンタジー世界(ウイザドリーとかウルティマとか)を捨て去った。
映画世界に身をまかせて観ることにした。
すると、やはり大したものだった。
なるほど、世界的にヒットするはずだ。
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「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」
2002年 アメリカ
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、 イアン・マッケラン、 ブルーム・オーランド
「指輪物語」の映画化3部作の第2章。 ★★★☆
第二部に入り、俄然引き込まれていった。
気持ちが物語世界になじんできて、壮大な物語に身を任せて楽しむ。
闇の勢力、悪魔術師サルマンと冥王サウロンは手を結んで世界を征服しようとする。
一方で、第1部の終わりに三つに分かれてしまった旅の仲間たちはそれぞれの道をたどる。
ホビット族であるフロドとサムは指輪を携えて滅びの山を目指しているのだが、この指輪がとにかく邪悪な力を秘めている。
持ち主を何とか悪の道に引き込もうとする。
選ばれし者であるフロドだけがそんな誘惑に打ち勝って指輪を持って行くことが出来るわけだ。
ここであらわれるのが、そんな指輪の悪の力に魅せられているコポル。
彼の存在が秀逸。物語の陰影を深くしている。
本来は気が弱く親切なコポルなのだが、自分の中に在るもうひとりのコポルが、指輪を奪え、指輪を奪えと、自分自身をそそのかすのだ。
誰でもが持っているような二面性を極端なかたちで具現化しているようだ。
荒唐無稽なファンタジーに人間ドラマ(人間じゃないのだが)の深みを付け加えていた。
CGを駆使した迫力満点の城の攻防戦もあり、さあ、完結編はどうなるのだ?
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「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
2003年 アメリカ
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、 イアン・マッケラン
「指輪物語」の映画化第3章。 ★★★★
さすがに世界的名作の完結編に恥じない内容だった。
長大な物語をよくこれだけのものにまとめ上げたものだ。
サウロンが差し向けた悪魔の軍隊、それに対抗する人間やエルフ、ドワーフなどの連合軍の戦い。
善の軍団と悪の軍団の戦いであるから、余分なことは考えずに応援できるので、力も入る。
もう一つの戦いは、指輪の持つ魔力とフロドの心の戦い。
こちらは人の心の中の善と悪の戦いとでも言ったらいいのか。
どちらの戦いも、圧倒的な迫力で魅せてくれた。
ファンタジー映画の最高傑作と言っても過言ではないでしょう。
まだ観たことのない人は、ぜひ。