あきりんの映画生活

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「蜘蛛の巣を払う女」 (2018年)

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2018年 アメリカ 115分
監督:フェデ・アルバレス
出演:クレア・フォイ

「ミレニアム」映画化第5弾。 ★★★

 

「ミレニアム」はスェーデン映画「ドラゴンタトゥの女」を始めとする3部作で大ヒットとなった。
この3部作の内容はアメリカ映画「ドラゴンタトゥの女」でリメイクされている。
一方で、原作小説は「ミレニアム」の第4部が、作者を新たにして書かれた。
本作はその第4部の映画化。
だから作品としては5作目だが、内容としては第4部ということになる。

 

舞台は寒い、寒いストックホルム。空の色はいつも曇っていて、低い。
物語もやはり暗く、陰鬱な雰囲気が漂っている。
それがこのシリーズの持ち味(北欧サスペンスもののイメージでもある)。

 

ハッカーのリスベット(クレア・フォイ)はレスビアンで、背中にはドラゴンの刺青を背負っている。
メイクも黒基調。パンクというか、ヘビーメタルというか、そんなイメージである。
(小心で平凡な一市民である私としては、実生活では絶対にお近づきになりたくないような人種だよなあ)

 

そんなリスベットに、人工知能研究の研究者であるバルデル博士から依頼がくる。
博士が開発した核攻撃プログラムを、アメリカのNSA(国家安全保障局)から取り戻してほしいというもの。
天才ハッカーであるリスベットならそんなミッションは簡単なのでは・・・。

 

ところがリスベットの前に立ちふさがったのは、怨念に満ちた彼女の過去だった。
父や、双子の妹カミラが亡霊のように現れてくる。

「皆を助けるのに、なぜあの時・・・私だけを助けてくれなかったの?」
幼かった日のリスベットがとった冒頭の行動が大きな意味を持ってくる。
そして白い雪景色のなかでの黒のリスベット、赤のカミラ(シルヴィア・フークス)。
この対比は見事だった。

 

アメリカ映画としては2作目ということになるのだが、前作とは監督もヒロインもまったく交代している。
ヒロインのクレア・フォイは初めて観る女優さんだった。
これまでのリスベット役のノオミ・ラパスルーニー・マーラーに比べると、そのヒロイン像はやや物足りなかった。
異様にも感じられるほどの病的雰囲気が少なかった。これは残念ポイントだった。

 

しかし、前作に比べるとアクションは派手になっている。
物語の陰影は少なくなっているわけだが、その分だけ単純に観やすくなっている。
エンタメ度が上がったといえるかもしれない。

 

それはそれでいいのだが、やはりリスベットものとしてはもう少し陰鬱であって欲しいぞ。
ルーニー・マーラー、ダニエル・クレイグのコンビ復活を希望!