あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ケサリ 21人の勇者」 (2019年)

f:id:akirin2274:20210111132713j:plain

2019年 インド 154分
監督:アヌラグ・シン
出演:アクシャイ・クマール

21人vs1万人の伝説の戦い。 ★★★

 

時代はイギリスがインドを植民地支配していた1897年。
そしてその頃のインド北部ではアフガニスタンの侵攻が脅威となっていた。
そこで国境の3つの砦では、シク教徒の兵を従えたイギリス軍が警備に当たっていた。

 

そのうちの一つのサラガリ砦は、単に他の2つの主要砦の中間で鏡による通信の中継をするだけの基地だった。
駐屯するのは頭にターバンを巻いたシク教徒の兵21人のみ。
指揮官は、イギリス人上官に反抗して左遷させられたイシャル・シン。信念の人。

そのサラガリ砦に1万人のアフガニスタン勢が攻めてきた。
どうする? こちらは21人しかいないんだぜ。

 

ということで、21人vs1万人の戦いとなる。
これは史実に基づいているとのこと。
もう、あのジェラルド・バトラー「300」も真っ青な兵力の差ではないか。

 

インド人というと、日本では昔からカレーのCMでもお馴染みだったように、頭にターバン、見事なあご髭、というのがイメージだった。
実はこれは厳密に言えばインド人と言うよりもシク教徒の風体。
そこでシク教について少し調べてみた。

 

インドで16世紀に始まった宗教で、世界で5番目に信者が多いとのこと。
意外に新しい宗教であることに、そうなんだと思う。
教義はいわばヒンドゥー教イスラム教のいいとこ取りをしたものとの解説もあったが、偶像崇拝カースト制度を否定しているとのこと。
本国インドではわずか2%なのだが、海外へ移住しているインド人の1/3はシク教徒とのこと。
それでインド人と言えばターバン姿というイメージが定着しているのだな。

 

なんといっても特徴的なのは、あのターバンなのだが、シク教徒は髪の毛と髭を切らないらしい。
そして、あのターバンは広く認知されていて、インド陸軍の軍装では軍帽に代わって制式ターバンが認められていたり、イギリスではオートバイ運転時にターバンを巻いていればヘルメットを免除されるとのこと。へええ。

 

映画は前半の1時間はかなりゆっくりとすすむ。
イシャル・シンがどのような信念の人であるかということを、エピソードを重ねて描いていく。
アフガニスタン勢が攻めてきたときに、砦の全員が玉砕を覚悟で戦うのは、愛国心とかでなく、シク教徒としての誇りを示すため。う~む。

 

そして2時間半の映画の後半1時間は戦いを描いている。
この時代の武器は、味方も敵も基本的に銃剣だけ。ときおり袋に詰めた火薬が爆発物として使われる。
攻める方も、古代中国のような攻城用の高い櫓や巨大投石機を準備しているわけではない。
守る方も、特に戦略的に工夫を凝らすといったことはない。
どちらかと言えば非常に原始的な戦い方。
それだけに人間の肉体同士の戦いという感じが強く出ており、その迫力はすさまじい。

 

タイトルの「ケサリ」とはサフラン色のこと。
サフラン色というのはシク教徒には特別の意味を持つ色で、「勇気と犠牲」を意味するとのこと。
シク教兵のターバンの色は軍服と同じカーキ色なのだが、戦いの中盤でイシャル・シンは皆を鼓舞するためにサフラン色のターバンを巻いてあらわれる。
ここは絵になる場面だった。

 

多勢に無勢は如何ともしがたく、21人の仲間はやがて一人が撃たれ、また一人が倒れ・・・。それでも戦いは続く。悲愴である。
ついに最後の一人が倒れて戦いは終わっていく。

 

インド映画なので例によって長い(苦笑)。
歌は若干出てくるのだが、お約束のインド美女はイシャル・シンが思い浮かべる新婚の奥さんしか出てこない。それも清楚な感じの奥さんである。

 

いつもの華やかなインド美女を期待する映画ではなかった。
徹頭徹尾、誇りと信念に基づいて戦いに挑んでいく男の映画だった。