あきりんの映画生活

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「刑事マディガン」 (1967年)

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1967年 アメリカ 101分
監督:ドン・シーゲル
出演:リチャード・ウィドマーク、 ヘンリー・フォンダ

ニューヨークの刑事物語。 ★★☆

 

刑事ものを撮らせれば安定のドン・シーゲル監督。
「マンハッタン無宿」や「ダーティハリー」シリーズが有名だが、これはその先駆けとなった刑事もの。

 

マディガン(リチャード・ウィドマーク)と相棒のロコは、ギャングのベネシュの逮捕に赴いたのだが、美女の裸体に気をとられて逃げられてしまう。
おまけに、マディガンの拳銃も奪われてしまう。
おい、お前ら、何をしているんだ。あの拳銃で事件が起きたらどうするんだ。

 

描かれる物語の規模は比較的小さい。
奪われた拳銃を取り戻すべく、犯人を追う3日間の物語。
派手な銀行強盗が起きるわけでもないし、連続猟奇殺人事件が起きるわけでもない。
その代わりに、刑事やその上司の個人的な悩みや葛藤が描かれている。
事件をただ追うだけではなく、刑事の私生活が平行して描かれていて、彼らの人間臭さがでている。

 

マディガンは仕事第一主義なので、もっと家庭を大事にしてちょうだいとごねる妻とは微妙な関係となっている。
パーティ会場に自分を置いて現場に戻っていく夫に当てつけるように、妻は浮気をしそうになったりもする。
男たるもの、家庭にいる妻にはなかなか理解してもらえないのだよ。辛いなあ。

 

そしてマディガンたちの上司たる警察委員長(警視総監みたいなもの?)のヘンリー・フォンダ
渋い初老男の彼は部下たちの起こすいろいろな問題に頭を悩ませている。
(原作小説ではこの警察委員長の方が主役なのだそうだ)
規律に厳格で、不正をした友人の部下にも厳しく当たるのだが、その一方でちゃんと不倫をしている(苦笑)。

 

この映画、こうして刑事事件とは離れた人間ドラマにかなりの時間を割いている。
だからガチガチの刑事ドラマというよりも、刑事を始めとした警察官たちの人間ドラマの部分が多い。
そのあたりを渋いとみるか、全体としての物語が散漫となってしまったとみるか、で評価も異なってくるだろう。
私は後者の印象を持ってしまった(汗)。

 

さて、クライマックスは、犯人の隠れ家を突き止め踏み込むマディガンとロコ。
激しい銃撃戦がおこなわれ・・・。
思いがけない結末が待っていた。

 

ニューヨークの刑事が普通にソフト帽を被っていた時代の映画。
その雰囲気は好くでていました。