あきりんの映画生活

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「獲物の分け前」 〈1966年〉 耽美映画に徹すればよかったのに・・・

1966年 フランス 99分 
監督:ロジェ・バディム
出演:ジェーン・フォンダ、 ミシェル・ピッコリ

コスプレお洒落映画。 ★★☆

 

ロジェ・バディム監督が当時の妻だったジェーン・フォンダを起用して撮った作品。
彼女の前の妻だったブリジッド・バルドーやカトリーヌ・ドヌーヴのときと同様に、いかに自分の惚れ込んだ妻を魅力的に撮るか、ということに心血を注いでいる(笑)。

 

莫大な遺産を相続したルネ(ジェーン・フォンダ)は、20歳も年上のアレクサンドル(ミシェル・ピッコリ)と結婚する。
その彼には同居する先妻との息子マクシムがいて・・・、という設定。

 

フォンダは毛皮のコートや帽子、ダチョウの羽のガウンなど、これでもかというような豪華な衣装に身をつつむ。
この頃の彼女はこういった衣装が実に似合う。衣装はピエール・カルダンだった。さすが。
そして、シースルーになっている浴室、光が反射して揺らめく水面、湾曲した鏡に映る情事の様子、などバディム監督の美意識があちらこちらに見える。

 

この映画の中でもジェーン・フォンダは一糸まとわぬ、あるいはセミヌードのその美しい姿態を幾たびとなく見せてくれる。
(しかし、薄布が邪魔をしたり、半透明な硝子が邪魔をしたりはしているのだが 汗)
当時、彼女のヌード・シーンがあるということはかなりの話題になったらしい。
あのプレイボーイ誌が撮影現場で盗映をしてスクープ写真を載せたことから、巨額の賠償請求がおこなわれたとのこと。

 

さて物語は・・・。
はじめは単に戯れているだけのルネとマクシムだったのだが、次第に気持ちが本気モードになっていってしまう。
そりゃ、こんなに若くてきれいな継母がちょっかいを出してくれば、男の子もその気になってしまうよね。

 

でも、狡いのは男。
というか、あまりにもルネが浅はか。恋に盲目的。相手の本当の気持ちも確かめずに一人で突っ走ってしまう。
そして自分が財産すら捨てて離婚すれば、相手も応えてくれるはずと勝手に思い込んでしまう。結果、破滅!

 

物語はエミール・ゾラの中編小説に依っているとのこと。
しかし、その描き方は浅く雑だった。映画自体の出来はもうひとつだった。

 

あのころの、いささか天然にも思えるジェーン・フォンダの可愛らしさは全面に出されていた。
バルドーのときは、未だ彼女が無名だったので無邪気にその魅力を撮って成功した。
しかし、フォンダはアメリカですでにそれなりの知名度を持っていたので、それなりに物語を作ろうとしてしまったのが敗因だった気がする。
バディム監督はそういう戦略には向いていないんだよね。

 

で、この映画の後に彼女を撮ったお馬鹿コスプレ映画「バーバレラ」、これは素晴らしかった。
物語性なんてどこへやら。とにかくフォンダの魅力を撮りまくった。
そう、バディム監督はそれでいいんだよ(と、上から目線 笑)。

 

おまけの蘊蓄。
村上春樹が引用していたバディムの言葉は、「私は貧弱な真実よりも華麗な虚偽を愛する」。
なるほど、いかにも、だなあ。
それにしても、バディム監督と別れた後のジェーン・ファンダの変身ぶりにはびっくりしたぞ。