2019年 アメリカ 109分
監督:ルバート・ワイアット
出演:ジョン・グッドマン、 ヴェラ・ファーミガ
エイリアンと戦うレジスタンス。 ★★
ポスターでは浮かぶ岩のような宇宙船が映っていたり、巨大なガンタンクのようなものが並んでいたりする。
そのうえエイリアンの侵略ものだと聞けば、これは一大アクション巨編かと思うところ。
・・・まったく違った。
近未来、地球はすでにエイリアンによって征服されているのである。
舞台はシカゴ。アメリカ政府も“統治者”と呼ばれるエイリアンの傀儡となって人々を治めている。
そんな支配者エイリアンを倒そうとする地下組織の人もいるのである。
統治者の傀儡となっている警察は、そんなレジスタンスを逮捕しようと躍起になっている。
この映画はエイリアン侵略のSF映画のなのだが、宇宙大戦争は起こらないし、地球防衛軍も登場しない。
警察の厳しい監視の目を盗んでのレジスタンス活動を描いている。
エイリアンをナチスに置き換えれば、もうこれはヴィシー政権下のフランスでの地下抵抗組織の話になるのである、
だから映画は地味である。
支配されている人々の心は疲弊しており、画面も暗い感じで続く。
主人公は、冒頭でエイリアンに両親を殺されたレジスタンスの兄弟。
そして彼らを追う警察幹部マリガンに貫禄十分なジョン・グッドマン。
マリガンが時折会いに行く娼館のマダム・ジェリーにヴェラ・ファーミガ。
観ていて戸惑ってしまうのは、説明が圧倒的に少ないこと。
これは、今、どういうことになっているんだ?
人々が首につけている輪は何なのだ? 監視のためのGPSが仕込まれているようだが、簡単に取り外しができているぞ。おかしいなあ。
そのうえ、人々は首の皮下にもなにか埋め込まれているのだ。あれは何?
レジスタンスのメンバー紹介もないし、彼らに協力して秘密情報をわたしてくれる人物もいったい何者なのか、どうやってその情報を入手したのか、説明はないまま物語がつきすすむ。
何も説明してくれないから、緊迫している情勢のようなのだが、その内容が分からない。
今、何が起こっている? 情勢はどうなっている?
普段は地下に暮らしている統治者があらわれる集会で爆発を起こそうと、レジスタンスは画策する。
果たしてその計画は上手くいくのか?
(以下、ネタバレ)
最後になって、マリガンや謎の女だったジェリーの真の姿が明らかになる。
う~ん、そう言われても、何か無理があったんじゃないかい?
別に仲間をそんなに犠牲にしなくても、方法はあったような気が・・・。