あきりんの映画生活

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「ポンペイ」 (2014年) このポスター・・・おい、おい、早く逃げろよ

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2014年 アメリカ 105分
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:キット・ハリントン、 エミリー・ブラウニング、 キーファー・サザーランド

厄災のなかで愛は・・・。 ★★

 

歴史上の大災害の一つとして知られているイタリア・ベスビオ火山の大噴火。
それによるローマ帝国の大都市ポンペイが壊滅した。
西暦79年のことである。この映画はその災害に巻き込まれていく恋物語を描いている。

 

ローマ軍に滅ぼされた騎馬民族ケルト人の生き残りのマイロ(キット・ハリントン)が主役。
捕らえられて奴隷となった彼は、剣闘士となって死ぬまで見世物の殺し合いをしなければならない運命。
そんな彼を見そめた恋の相手が街の有力者の娘カッシア(エミリー・ブラウニング)。
奴隷と令嬢の、典型的な身分違いの恋物語

 

この主役の二人はなかなかに好かった。
キット・ハリントンは「エターナルズ」で観たけれども、少し寂しげな風情のイケメン。推しだな。
エミリー・ブラウニングは初めて観たと思う。
可愛いのだけれども、それほど豪華さはない(汗)。令嬢というよりは庶民の娘っぽい雰囲気かな。

 

嫌~な恋敵もちゃんとあらわれる。
カッシアにご執心なローマ帝国元老のコルベスは、その権力をかさにきて結婚を迫る。
このコルベス役に、あのキーファー・サザーランド
かつては人々のために24時間戦い続けた彼は、ここではにこりともしない冷酷な権力者。

 

いくらマイロとカッシアが愛し合っていても、身分制度が社会を支配している以上は、所詮は許されるはずもない恋。
そこですべての既成の価値観を超越す事態として、火山の大噴火が起きるのである。
みんなが生死の狭間に立たされれば、身分制度なんて崩壊する。

 

前触れとして街がときおり揺れていたのだが、後半、一気に火山爆発の災害映画となる。
地震による建物の倒壊、地割れ、そして火山弾が容赦なくポンペイの街に降り注ぐ。
船で逃げようと港に集まった人々を津波が襲う。

 

こうしてポンペイの街は非常に短時間で消滅したらしい。
(そのために火山灰の下からは当時の人々の生活ぶりを示す遺物が大量に発掘されている。)
そんな厄災の中でなおも愛を確かめ合う主人公2人、そしてそれを最後まで邪魔しようとする嫌~なサザーランド。
さあ、彼らはどうなる?

 

(以下、ネタバレ)

 

最後、火山弾が降りそそぐ中を白馬に乗って逃げている二人。
そこでマイロはカッシアに、お前一人で逃げろ、と言う。
二人が乗ったのでは馬が早く走れない、お前だけでも逃げのびてくれ。

 

おお、これはあの「タイタニック」ではないか。
ケイト・ウインスレットを木ぎれに乗せて助けて、自らは海中に沈んでいったディカプリオの行為ではないか!
しかし、本作ではカッシアは二人で運命を共にする道を選んだのだった。

 

ポンペイの街の再現、火山の噴火場面など、映像の迫力はあったのだが、いかんせん、物語が駄目だった。
身分違いの恋には、出会いの場面、その後の展開ともに、新しさはなかった。
火山噴火の中での人々の右往左往ぶりや、主人公たちの行動もこれまでのなにかで観たようなものだった。

 

ということで、あまり期待しないで観ることをおすすめする映画でした。
監督の奥さん(ミラ・ジョボビッチ)が出ていたら、少しは違った?
(火山弾で壊れた建物の中からゾンビが出てきたりして・・・)