あきりんの映画生活

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「ヘルドッグス」 (2022年) ヤクザ組織に潜入するぞ、俺は殺し屋だ

2022年 日本 138分
監督:原田眞人
出演:岡田准一、 坂口健太郎、 松岡茉優

アクションやくざもの。 ★★★☆

 

原作は深町秋生のハードボイルド小説(未読)。
ご贔屓の岡田准一主演ということで鑑賞。

 

かつて派出所勤務をしていた出月(岡田准一)は、近くのスーパーでの強盗殺人事件を防ぐことができなかった。
それを悔やんだ彼は警察を辞め、一人でその犯人たちを突き止めては情け容赦なく復讐を遂げていった。
そのことを知った警察組織対策課は、彼を一大ヤクザ組織「東鞘会」壊滅のための潜入捜査官としてスカウトする。

 

潜入捜査官ものといえば、傑作の「インファナル・アフェア」シリーズがあった。
こうした潜入捜査官ものでは、主人公の正体がばれてしまわないかという緊張感と、主人公がおこなうあくどいことは大きな目的のためのことなのだという正義の御旗感が、観ている者を惹きつける。

 

さて。
兼高と名前を変えて東鞘会の一員となった出月は、兄貴と慕ってくれる組員・室岡(坂口健太郎)とコンビになり、組織の殺し屋として次第にのし上がっていく。
兼高の最終目的は、東鞘会トップが握っている秘密ファイルの入手。
どこまで組の中枢に食い込んで、秘密ファイルに近づけるか、緊張の連続だな。

 

兼高、室岡が組織の仕事として殺しをおこなう場面は、こういう言い方をすると語弊があるが、格好好い。
ルーチンのような準備をしてから一気に相手に襲いかかる。
ふたりの息も合っていて、その体術も見事である。

 

私は「SP」を観て以来の岡田准一ファン(初めはジャニーズの一員だということも知らなかった。すごい役者が出てきたなと単純に感心した)。
彼の格闘技アクションは斬新でキレがある(この映画のクレジットにも、格闘デザイン:岡田准一、と記されていた)。
「ファブル」など現代劇での格闘といい、「散り椿」やなど時代劇での殺陣といい、今の日本映画でのアクション俳優のNo.1ではないだろうか。

 

物語も好くできていた。
敵対する組織が送り込んできた女殺し屋を兼高が見破る場面も好かったし、そのあとの肉弾戦も迫力があった。

 

最近のヤクザ映画といえば「孤狼の血」シリーズが思い浮かぶ。
本作もヤクザ世界が舞台だが、テイストは全く違っていた。
あの映画はヤクザになってしまった警官だったが、こちらはあくまでもヤクザの仮面をかぶっている警察関係者、ということ。

 

最後まで面白く観ることができた。
大竹しのぶの必殺仕事人ぶりにはちょっと驚いたが・・・)

 

以下、ネタバレの苦情をひとつ・・・。

 

思わず苦笑してしまうほどに次から次へと登場する潜入捜査官。
えっ、あんたもアンダーカバーだったの?
一つの組にアンダーカバーが3人も潜りこんでいるなんて、ちょっと無理な設定ではないかい(苦笑)。